映画『ウインド・リバー』あらすじ・ネタバレ・感想【アメリカ負の歴史を炙り出す傑作】 | The Bird's Nest Hair  
【2020/02/14】New Article Update!

映画『ウインド・リバー』あらすじ・ネタバレ・感想【アメリカ負の歴史を炙り出す傑作】

『ボーダーライン』『最後の追跡』で知られるテイラー・シェリダン監督による、2017年公開の傑作サスペンス映画『ウインド・リバー』のネタバレ・感想などをまとめています。

エンターテイメント的な面白さと社会的メッセージ、ヒリヒリとしたリアルさと寓話性、バイオレンスとユーモア、アクションとミステリー性…

諸々の要素が絶妙なバランスで構築された傑作です。

『ウインド・リバー』の評価

(C)2016 WIND RIVER PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVE

『ウインド・リバー』のレビュー
演出
(5.0)
音楽
(3.0)
ストーリー
(5.0)
キャスト
(4.0)
リピート
(3.0)
総合評価
(4.0)

始まりと終わりが対になった構成、終始漂う不穏な雰囲気、俳優たちの見事な演技、過酷な環境をダイナミックに捉えた映像…

派手さはない(というか地味)。だけど、強く心に残る作品。ガツンと響く作品です。

『ウインド・リバー』スタッフ&キャスト

(C)2016 WIND RIVER PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVE

『ウインド・リバー』スタッフ

『ウインド・リバー』スタッフ
監督テイラー・シェリダン
脚本テイラー・シェリダン
製作ベイジル・イヴァニク
撮影ベン・リチャードソン
音楽ニック・ケイヴ

『ウインド・リバー』キャスト

『ウインド・リバー』キャスト
コリー・ランバートジェレミー・レナー
ジェーン・バナーエリザベス・オルセン
グラハム・グリーンベン・ショーヨ
ナタリー・ハンソンケルシー・アスビル
マーティン・ハンソンギル・バーミンガム

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『ウインド・リバー』解説・あらすじ

(C)2016 WIND RIVER PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVE

アメリカの辺境を舞台に現代社会が抱える問題や現実をあぶりだした「ボーダーライン」「最後の追跡」で、2年連続アカデミー賞にノミネートされた脚本家テイラー・シェリダンが、前2作に続いて辺境の地で起こる事件を描いた自らのオリジナル脚本をもとに初メガホンをとったクライムサスペンス。第70回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で監督賞を受賞。主演は「ハート・ロッカー」のジェレミー・レナーと、「アベンジャーズ」シリーズのエリザベス・オルセン。ネイティブアメリカンが追いやられたワイオミング州の雪深い土地、ウィンド・リバーで、女性の遺体が発見された。FBIの新人捜査官ジェーン・バナーが現地に派遣されるが、不安定な気候や慣れない雪山に捜査は難航。遺体の第一発見者である地元のベテランハンター、コリー・ランバートに協力を求め、共に事件の真相を追うが……。

映画.com

『ウインド・リバー』ネタバレ

(C)2016 WIND RIVER PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVE

※ネタバレは、下を開いてお読みください。

少女に死因は「窒息死」。

冷気を吸い込んで肺が凍る肺出血による「窒息死」。

しかし、少女はなぜ、-30度の極寒の中、灰が凍り付くまで走る必要があったのか、靴も履かず裸足のままで…

検視の結果、複数の暴行の跡、そして、強姦の痕跡が見つかった。

明らかに「殺人」だった。少女の死は、犯人から逃れてきたことで起こったものだった。

FBI捜査官ジェーンと、ベテランハンター、コリーは難航した捜査の末に決定的な手掛かりを得る。

少女には、恋人がいた。白人の恋人マット・レイバーン。彼は、掘削所の警備員だった。

部族警察の署長や掘削所の警備員の協力の元、掘削所の捜索に踏み出すジェーン。

一方、コリーは雪山に残った不審な痕跡を見つける…

閉ざされた雪道でコリーが見つけたものは、人間の死体だった。

それは、無惨に殴り殺されたマットだった。

事件の真相はこうだ。

少女が死んだ夜、彼女は恋人、マットの部屋へとやってきた。

2人は将来について語り合う。

「ここを抜け出してどこか暖かい場所で、二人で暮そう」

そんなとき、マットと住まいを共にする掘削所の同僚たちが帰ってきてしまった。

男たちは、酔っていた。

二人の幸せな空間に土足で入り込む、男たち。

マットと男たちは「口論」になり、やがてそれは、「暴力」へと発展した。

男たちは少女を襲った。

マットは、少女だけでも逃がそうと懸命に足掻いた。

隙を見て逃げ出す少女。

外は、マイナス30度の世界。

少女は走った。裸足で走った。

生きるために。

その距離は10キロにも及んだ。

少女は逃げたのではなく、生きたのだ。

(このシーンの構成がとにかく素晴らしいので、是非、本編をご覧ください。)

(強制捜査に乗り出したジェーンマットの部屋の扉を開けようとドアノブに手をかける、次の瞬間、物語は事件当日の夜にフラッシュバックし、真相が語れるという、トリッキーな構成になっています)

場面は、現在へと戻る―

迫る危険を知らせようと、無線で連絡を取るコリー。

しかし、肝心のジェーンからの応答はない…

現場は、まさに惨劇だった。

まず、ドアノブに手をかけたジェーンが撃たれた。

それを合図に、部族警察と掘削所側の激しい銃撃戦が始まった。

事件を隠蔽したい掘削所側、応戦する部族警察。

ジェーンに突きつけられる銃口…

そのとき、寒空の下にライフルの音が響く。

遥か遠くから狙いを定めるコリーのライフルは、寸分の狂いもなく男たちを撃ちぬいた。

生き残ったのはジェーンと、事件の当事者である男だけだった。

命からがら逃げる男を難なく捕らえたコリーは、男を雪山の山頂へと連れていく。

コリーは男に約束をする。

「事件の真相を話せば逃がしてやる」

男は醜い口で話した。あの夜のことを全て。

コリーは約束通り、男を逃がした。

男は、裸足だった。合衆国最高峰の険しい山には耐えられそうにない薄着だった。

「あの少女は、ナンシーは、裸足で10キロ走った。彼女は強い娘だった。」

10キロ下の国道にまで出れば、男は生き延びることができる。あの夜の少女と同じ条件だ。

しかし、男は100メートルほど走ったところで醜く、果てた。

死因は「窒息死」

あの夜、少女は10キロの距離を走りぬいた。たった一人で。

「ネイティブアメリカン女性の失踪者に関する統計調査は存在しない。失踪者の数は不明のままである。」

『ウインド・リバー』感想

(C)2016 WIND RIVER PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVE

映画評論家の町山さんや宇多丸さんが仰るところの「現代版西部劇」。

『ボーダーライン』『最後の追跡』に続く、現代アメリカのフロンティア、辺境の地の現実を探求する「現代版西部劇・三部作」そのラストを飾るのが、この『ウインド・リバー』です。

監督のテイラー・シェリダンは、本作ではじめて脚本も手掛けています。

アメリカ映画の伝統を受け継いだ、その最前線の作り手として、現在、最も注目を集めているテイラー・シェリダン監督。

ネイティブ・アメリカンの友人から居留地での過酷な暮らしを聞かされたシェリダン監督は、「彼らの厳しい現実を世に知らせる作品を作る必要がある」そう思い立って本作の製作に取り組んだそうです。

「アメリカ負の歴史」全部盛り

『ウインド・リバー』は、アメリカという国が今日も抱え続けている「負の歴史」を包み隠さず描いています。

なぜ、ネイティブ・アメリカンの居留地で起こった殺人事件に、捜査官がたった一人しか派遣されないのか…

そもそも、彼らネイティブ・アメリカンは、なぜ、人間が暮らすには厳しすぎる環境下で生きているのか…

「ネイティブアメリカン女性の失踪者に関する統計調査は存在しない。失踪者の数は不明のままである。」という最後のテロップが、意味するところとは…

本作の舞台になっているウインド・リバー・インディアン居留地には、東部ショショーニ族と北部アラパホ族のネイティブ・アメリカンが住んでいます、本当に、現実に。

ネイティブ・アメリカンが強いられた苦難の歴史は、200年にも及びます。

そして、アメリカ社会を象徴すると同時に、ネイティブ・アメリカンを虐げた象徴でもある「銃」の存在。

一見派手な銃撃戦が描かれていますが、僕はあのシーンに、「人間の愚かさ」を感じました。

ひいては、マチズモ(男性と女性を区別する男性優位主義)に囚われたアメリカの本質、「暴力性」を描いた“あの夜のシーン”。

醜悪極まりない男の暴力性、直視できない恐ろしい事態。

本当に正視したくないぐらい、目を背けたくシーンですが、あのシーンこそが、アメリカという国の本質、マチズモによって犠牲になってきた女性たち、あるいは虐げられてきたマイノリティーな存在……

そういうもの全て、つまり、「アメリカの負の歴史」が、すべてが、物語の舞台としては決して広くはないウインド・リバー・インディアン居留地で起こる
出来事の中にすべて織り込まれてる、その手腕。

テイラー・シェリダン監督見事!としか言いようがありません。

剥き出しの映像

本作『ウインド・リバー』では、全編にわたって画面が真っ白、雪で覆いつくされた過酷な環境が映し出されています。

本当に、観ているこちら側まで凍えてしまうになるほどの「むき出しの映像」。

ネイティブ・アメリカンがどれほど過酷な環境で暮しているのか、一面雪だらけの極寒の映像が物語っています。

あとがき

(C)2016 WIND RIVER PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVE

派手さはありませんが、深く、深く胸に沈み込むような傑作です。


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