時代が求めるUKロック・バンド『THE1975』の魅力 | thedeeprivers

時代が求めるUKロック・バンド『THE1975』の魅力

the1975というバンドを

あなたはご存知でしょうか?

『1st JUNE ,THE1975』

Fuzz Against Junkというビートニクス(ビート族)について書かれた、ある一冊の本の裏表紙に記載されていた一説。それがバンド名の由来。

フロントマンでもあり、バンドの作詞作曲も手掛けるマシューヒーリーによって名付けられたバンド名は本人曰く、THEという冠詞と1975の結びつきの無さが、とても気に入って付けたのだそう。

UKインディロックバンドとして一括りにすることは到底できない様々な音楽を内包するTHE1975。

1stアルバムが初登場全英1位、続く2ndアルバムもちろん全英1位。そのブレイクはイギリスのみならず、アメリカをはじめとした全世界42ヶ国で1位を獲得。

2010年代以降に登場したUKロックバンドの中ではすでに破格の成功を手にしたともいえる彼ら、はたして彼らは今後何処に向かうのだろうか?

THE1975 最新曲『Give Yourself A Try』

世界中で最も注目されるバンドTHE1975がついに新曲をリリースしました。

ビビッドなオレンジカラーに髪の毛を染め上げたヴォーカルマシューヒーリー が歌い踊る、いや歌い踊り狂う姿が映し出されたMV。

マシューヒーリーのパフォーマンスにはこれまでも様々なロックスターやミュージシャンの“ニオイ”がありました。

今回はこれまで以上に、ごった煮というか、もはや誰か分からない架空のロックスター像を一挙に引き受けているような挙動に感じました。どう見てもMichael Jacksonでしかないアクションとか入ってたし。

ヴィジュアルの変化に伴い音楽性も変わってしまうのではないかと心配しましたが、そこはやはりTHE1975。

永遠と続く歪んだギターリフ、その上に乗っかるポップで軽快なメロディとマシューヒーリー の歌声。

あぁ、THE1975だ。

一聴してすぐに彼らだとわかるサウンド。

アルバムをリリースするごとにガラリと音楽性やビジュアルを変化させそうな雰囲気もあるTHE1975ですが、意外にもそうではありません。

(まぁたしかに、2ndアルバムのタイトルはとても息継ぎ無しでは言えないほど長い『君が寝てる姿が好きなんだ。なぜなら君はとても美しいのにそれに全く気がついていないから。』だったし、解散騒動を巻き起こしたり、その都度狙いすましたトリッキーな話題作りは入念ですが…)

自分たちの楽曲に対するスタンスは変わらない

“世界が求めるポップソングを作ること”

彼らは確かにデビュー当初からそう公言していました。

THE1975 2枚の名盤

1st album『THE1975』

ユニバーサルミュージック

THE1975のデビューアルバム『THE1975』を実家で流していたら、母が一言、

「この人らの曲、めっちゃえぇなぁ。」

と、言いました。

そんなことを普段はあまり言わない人なので、とても驚きました。しかも“めっちゃ”という感嘆詞が付いていたことで驚き二乗です。

今一度その発言の真意を訪ねてみると、どうやら、彼らの楽曲に若かりし頃の青春していた自分の姿を見たのだそう。

母は今年51歳になります。

つまり母の青春というと1980年代ということになります。

1980年、時代はポップソング全盛期。

彼ら、THE1975の楽曲の根幹にある、

『世界最強のポップソング像』

ポップソングと言うとロック好きの方は首を傾げるか、或いは顔をしかめるかもしれません。

しかし、ポップソングというのは、

老若男女問わず誰が聴いても、一聴した瞬間に素直に良いと思える即効性のある人懐っこさ

だと思います。

そういう意味ではポップスもロックもR&Bもヒップホップも変わらないのかもしれません。

話が逸れましたね。

THE1975のデビューアルバム『THE1975』は、

Michael JacksonやMadonnaに代表されるMTV全盛を思わせる驚異的なクオリティを確保しつつ、1970年代のパンクから脈々と受け継がれるUKロック特有のDIYも感じさせるそのアンバランスな感覚がとても現代的で、だからこそこのアルバムは大絶賛ともに世界に迎えられたのでしょう。

『I like it when you sleep, for you are so beautiful yet so unaware of it 』

ユニバーサルミュージック

『君が寝てる姿が好きなんだ。なぜなら君はとても美しいのにそれに全く気がついていないから。』

長い。タイトルが、長い。

何たって全米1位に輝いたアルバムの中でも最も長いタイトル名です。

そしてタイトルが長ければ再生時間も長いです。全17曲70分を超える特盛ヴォリューム。

音楽ストリーミング配信全盛、それはすなわち楽曲単位優勢の時代でもあります。

そんな時代において真逆、流れに背を向けて逆走しているような作品です ロックバンドが全米1位。これは事件といっていいのかもしれません。

同アルバム、当然話題作りだけではありません。

デビューアルバム『THE1975』同様にバンド名を冠したインストゥルメンタルから入る導入部、傲慢でナルシスティックな冒頭、ロマンチックでスロウな中間部、そしてドラマチックなクライマックス。

まるでアルバム全体がポップミュージックを描くための巨大なキャンバス。

アルバムとしての役割を担っているアルバム。とでも言うのでしょうか。

とにかくこれは、このアルバムだけは、70分かけて聴くしかありません。この時間を捧げないと語り得ない物語的なアルバムです。

70分間の代償としてあなたは、何にも代え難い感動を手にするはずです。

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