歴史的名監督スタンリー・キューブリックによって1980年に公開されたホラー映画の金字塔、『シャイニング』。
(原作はモダンホラー小説の巨匠、スティーヴン・キングの同名小説)
2019年。『シャイニング』からおよそ40年の時を経て、続編『ドクター・スリープ』が公開されます。
本記事では、『シャイニング』のスタッフ&キャスト、あらすじ、感想、原作との相違点をまとめています。
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(タップできる)目次
『シャイニング』スタッフ&キャスト
WarnerBros./Photofest/ゲッティイメージズ
『シャイニング』スタッフ
『シャイニング』スタッフ | |
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監督 | スタンリー・キューブリック |
脚本 | スタンリー・キューブリック |
撮影 | ジョン・オルコット |
音楽 | バルトーク・ベーラ |
監督・脚本:スタンリー・キューブリック
映画史に名を残す名監督、スタンリー・キューブリックが生み出した傑作ホラー『シャイニング』。
ホラー映画の偉大な古典とされ、また、「映画史上最高のホラー映画」とも称されています。
キューブリックならではの恐怖演出、計算に計算を重ねた映像美、寄りと引きの妙…
約40年前の作品ですが、そのシャイニング(輝き)はいまだ衰えることをしりません。
『シャイニング』キャスト
『シャイニング』キャスト | |
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ジャック・トランス | ジャック・ニコルソン |
ウェンディ・トランス | シェリー・デュバル |
ダニー・トランス | ダニー・ロイド |
ディック・ハロラン | スキャットマン・クローサース |
ジャック・ニコルソン
狂人を演じさせれば彼の右に出るものはいない、名優ジャック・ニコルソンが、本作の主人公ジャック・トランスを演じています。
まさに、なにかがトランス(憑依)したかのような狂気の演技は、観るものの心に強烈な爪痕を残します。
とくに、彼の二つの「目」に注目してみてください。
眼球の動き、視線、目線、瞬きの回数、開き具合…
ジャック・ニコルソンは「目」だけで、キャラクターを100%演じ切ることができる唯一無二の俳優です。
シェリー・デュバル
本作でジャック・ニコルソンと並んで、圧巻の演技を見せつけているのが、妻ウェンディ役のシェリー・デュバル。
狂人と化した夫ジャックとは違う形で、物語終盤の起伏を生んでいます。
しばしばニコルソン以上に、「恐ろしい」と称されるデュバルの迫真の演技。
一説では、監督のキューブリックらが撮影中に、デュヴァルに対し意図的に激しく当たったため、彼女が精神的に追い詰められ、その精神状態がそのまま演技に表面化されたものだそう。
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『シャイニング』あらすじ
WarnerBros./Photofest/ゲッティイメージズ
長い長い山道を突き進む一代のワーゲンビートル。トランス一家を乗せた車が向かう先は、コロラド州ロッキー山上にあるひとつのホテル。
アルコール依存症を患っているジャック・トランスは、管理人の職を求めて、妻と娘を連れてこのホテルを訪れた。
(豪雪地帯に位置する展望ホテルは、冬季は完全に閉鎖されるため、住み込みの管理人が必要なのだ。)
無事に管理人職に採用されたジャック。喜ぶジャックと妻のウェンディだったが、息子のダニーだけは違った。
ダニーは、不思議な能力「シャイニング」を持った男の子だった。その力が彼に告げていた。「ホテルには、何かがある(いる)」と。
どんな職に就いても長くは続かない、甲斐性なしのジャック。今度こそは、今度こそは…。
彼は小説家を目指していた。ホテルに務めている間に、小説を1冊書き上げてしまおうという目論みだった。
しかし、そうはならなかった。
このホテルには「恐怖」が閉じ込められていた…
前管理人であるチャールズ・グレディという男は、このホテルで閉所恐怖症に陥って精神を病み、挙句の果てに、妻と娘二人を斧で惨殺、自らも自殺したという…。
「よくある話だ。」と、気にも留めていなかったジャックの様子は徐々に狂いはじめ…
猛吹雪によって外界から隔断された山の上のホテルで、今宵もまた悲劇が起こる…。
『シャイニング』感想
WarnerBros./Photofest/ゲッティイメージズ
「怖いか?」と聞かれれば、正直言って怖くはありません。
ただ、「恐い」と、答えます。
それは、ジャック・ニコルソンやシェリー・デュバルらによる鬼気迫る名演技だったり、監督のスタンリー・キューブリックによって徹底的に作りこまれた画面だったり…
つまり、「恐れ多い」という感覚に近いかもしれません。
映画の神々たちが作り出した、途方もない芸術作品。
『シャイニング』に感じるのは、そういった感情です。
キューブリックの完璧主義
本作のハイライトは間違いなく、「ジャック・ニコルソン演じるジャック・トランスが、斧で叩き割った扉の裂け目から、狂気に満ちた表情で妻ウェンディを凝視する」というシーンでしょう。ポスターとしても有名なシーンです。
このシーン、実際にはわずかに2秒ほどですが、撮影期間はじつに2週間にも及び、190を超えるテイクを費やしたというのです。
徹底した完璧主義、常軌を逸したこだわり。
一番の狂気はスタンリー・キューブリックその人かもしれません。
「ステディカム」を活かしたカメラワーク
当時の最新技術「ステディカム」を活かしたカメラワークも芸術的と言わざるを得ません。
ステディカム(英語:Steadicam)とは、カメラマンがカメラを持って歩いたりあるいは車載した際に、その移動によって生じるブレや振動を抑え、スムーズな映像を録ることを目的に開発されたカメラスタビライザー(カメラ安定支持機材)である。
カメラマンが手持ちカメラのまま走ったりしても、滑らかでスムーズな移動映像が撮影が可能。
キューブリックは、当時としては最先端だったこの手法をいち早く本作の中に持ち込んでいます。
しかし、本当に驚くべきは、「現代でも超えることができない」と称される、映画史に残る「ステディカムシーン」を早速作り上げてしまったことでしょう。
息子ダニーが三輪車を漕いでホテルを探検する後ろ姿を、ただ延々と「ステディカム」で追従して映し出すシーン。
広いホテルに誰もいない「閉鎖感」、角を曲がれば何かがいるかもしれないという「恐怖」、三輪車がカーぺットの上を走るたびに途切れる音楽による「不穏」…
「小さな子どもが、ただ三輪車を漕いでいるシーン」。ただそれだけのシーンに底知れない恐怖を持たせてしまうキューブリックのテクニックとセンスがこわい。
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『シャイニング』原作との相違点
WarnerBros./Photofest/ゲッティイメージズ
モダンホラー小説の巨匠スティーヴン・キングの同名小説を基に、スタンリー・キューブリックによって映像化された『シャイニング』ですが、原作と映画版ではストーリーや設定が大きく異なります。
ジャック・トランス
小説版
小説版のジャック・トランスという男は、「善良な一市民」であり、また、アルコール依存症を抱える自分に対して罪悪感を抱える人物として描かれています。
彼が狂気にかられた行動をとるのは、自分の意志というよりは、「ホテルの目には見えない巨大な力」によるもの。という描き方がされています。
また、原作のジャックは、殺人を犯すことはありません。
原作
一方、映画版では、たしかにジャック・トランスという男はアルコール依存症ですが、そのことを特に気に病んでいることも、罪悪感を抱いているという描写もありません。
また、彼の狂気の行動は彼自身によるもの(創作による焦燥感や不安、閉鎖的空間による精神的疲労など)で、ホテルの霊的現象は原作と比較するとかなり小さなものとして描かれています。
さらに、映画版のジャックには他人を容赦なく殺害するシーンがあります。
つまり、原作が持つファンタジー要素を抑え、人間が本来持つ生々しい「狂気」を全面に出しているといえます。
エンディング
原作
原作の物語は、「(善良な一市民が巨大な霊的パワーに打ち勝ち、愛する家族をホテルから脱出させることで)愛する息子の成長を見守る」という、ハッピーエンドで幕を閉じます。
また、原作では「展望ホテル(オーバールックホテル)」は、木っ端みじんに吹き飛びます。
映画
映画のラストでは、ウェンディとダニーだけが、除雪車に乗ってホテルを脱出。
息子を殺そうと追い詰めた主人公ジャック・トランスは、憐れにも凍死してしまいます。
また、ホテルは現存したままで、「ホテルに飾られている写真の中に笑みを浮かべたジャック」が映し出された直後、エンドロールが流れて映画は終わります。
つまり、映画では、「ジャックは、ホテルの邪悪な意志に取り込まれた」ということが暗示されています。
あとがき
続編の『ドクター・スリープ』が楽しみすぎて、久しぶりに『シャイニング』を鑑賞しましたが、何度観ても、いつ観ても本当に素晴らしい名作です。
Milk
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