『ストレンジャー・ザン・パラダイス』あらすじ・ネタバレ・感想【ジム・ジャームッシュの出世作】 | The Bird's Nest Hair  
【2020/02/14】New Article Update!

『ストレンジャー・ザン・パラダイス』あらすじ・ネタバレ・感想【ジム・ジャームッシュの出世作】

「インディーズ映画界の帝王」ジム・ジャームッシュの出世作である本作『ストレンジャー・ザン・パラダイス』(1984)は、第37回カンヌ国際映画祭において「カメラ・ドール(新人監督賞)」を、彼にもたらせた。

全編モノクロフィルムで撮影されたデッドパン(無表情)喜劇はが、世界の映画ファンを魅了した。

本記事では、『ストレンジャー・ザン・パラダイス』のあらすじ(ネタバレ)・感想をまとめています。

『ストレンジャー・ザン・パラダイス』の評価

『ストレンジャー・ザン・パラダイス』のレビュー
演出
(5.0)
音楽
(4.0)
ストーリー
(4.0)
キャスト
(4.0)
リピート
(4.0)
総合評価
(4.0)

『ストレンジャー・ザン・パラダイス』スタッフ&キャスト

『ストレンジャー・ザン・パラダイス』スタッフ

『ストレンジャー・ザン・パラダイス』スタッフ
監督ジム・ジャームッシュ
脚本ジム・ジャームッシュ
製作サラ・ドライヴァー
撮影トム・ディチロ
音楽ジョン・ルーリー

「インディーズ映画界の帝王」ジム・ジャームッシュの名を一躍世界に轟かせた、彼の長編映画2作目。

唯一無二のオフビート感覚、独特の間、ドラマ性を排した構成、人間臭いキャラクター…

後の作品にまで貫かれているジム・ジャームッシュの作風が確立された名作。

『ストレンジャー・ザン・パラダイス』キャスト

『ストレンジャー・ザン・パラダイス』キャスト
ウィリージョン・ルーリー
エヴァエスター・バリント
エディリチャード・エドソン
ウィリーの叔母セシリア・スターク

エディ役を務めたリチャード・エドソンは、ミュージシャンとしての経歴もあり、所属していたバンドは、なんと、“あの”『ソニックユース』。

『ソニックユース』は、90年代のロックシーンを牽引した伝説的ロックバンド。

あまりにも有名なジャケ写。

エドソンは、俳優に専念するため1982年に脱退。


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『ストレンジャー・ザン・パラダイス』あらすじ【ネタバレ】

『ストレンジャー・ザン・パラダイス』は、3章構成の作品です。

The New World

故郷ハンガリーから渡米して10年。

ウィリーは、大都会ニューヨークでギャンブラーとして生計を立てて生きていた。

ある日、クリーブランド(オハイオ州)に住む叔母から電話が入る。

「10日間ほど、従妹のエヴァの面倒を見てやってくれ」

ウィリーは、しぶしぶ受諾する。

エヴァは美しい容姿をしていたが、少し変わり者だった。

不愛想なウィリーと変わり者のエヴァ。

二人の間には気まずい空気が横たわっていた。

しかし、夜中までテレビを見たり、一緒に食事をしたり、掃除をしたり、トランプをするにつれて、二人は次第に打ち解けていく。

悪くない日々。少なくてもウィリーはそう思っていた。

だから、彼女にプレゼントを贈った。何とも言えないデザインのドレスを。

エヴァはそのドレスを着てウィリー宅を去っていった。クリーブランドに向かった。

途中、エヴァはゴミ箱にドレスを捨てた。趣味じゃなかった。

ウィリーは一人の生活に戻って、少しだけ寂しい気持ちだった。

One Year Later

いかさまのギャンブルで大儲けしたウィリーと友人のエディーは、旅に出ることを思いつく。

エディの兄から借りた車で二人は、クリーブランドに向かうことにした。

600ドル。二人の所持金だ。

クリーブランドは雪で覆われていた。寒い。

エヴァはホットドッグ屋で働いていた。恋人もいた。

エヴァは、ウィリーとエディーの再会を喜んだ。

3人は数日間を共に過ごした。

最初は楽しかった。しかし、三日目にエディーが言った。

「新しいところにきたのに なにもかも同じに見えるよ」

飽きた。

叔母の反対を押し切って、三人はフロリダに向かうことにした。

理由は特にない。強いて言えば、フロリダには海があって、少なくとも雪に囲まれてはいないからだ。

Paradise

クリーブランドからフロリダにやってきた三人。

約1,100マイル(1,770キロメートル)の旅だ。

くたくたの3人は、安いモーテルのベッドに倒れ込む。

エヴァが目を覚ますと、部屋には二人の姿がなかった。

ウィリーとエディーは、エヴァを残してドッグレースに興じていた。

エディーの“良い予感”は、見事に外れ、二人は無一文になって帰ってきた。

バカンスどころではない。

「馬ならうまくいく」

二人は競馬に臨んだ。エヴァはまた一人、取り残された。

一人、フロリダの海岸を歩くエヴァは、防波堤に佇む男から麻薬の売人だと誤解され、大金を渡される。

ひょんなことから、大金を手に入れたエヴァは、そそくさとモーテルに戻る。

結局、競馬で大勝ちしたウィリーとエディーは意気揚々とモーテルに帰った。

しかし、エヴァの姿はない。代わりに置手紙があった。

「空港にいく」

急いで空港へと向かう二人。

ウィリーは、急いで航空券を買って、飛行機の中にいるエヴァを迎えに行こうとする。

離陸寸前の飛行機、行先はブタペスト(ハンガリー)。

空港の外で待っていたエディーの真上を、ウィリーを乗せた飛行機が飛び立っていく。

それはそうだ。

エヴァは飛行機にのっておらず、一人モーテルへと帰ってきていたのだった。

『ストレンジャー・ザン・パラダイス』感想

今日のハリウッド大作に慣れ親しんだ人は、もしかすると本作が理解不能な珍作に思えるかもしれない。

(保険をかけておくと、ハリウッド的大作を否定しているわけではないし、僕はそれらも大好きだ。)

淡々とした日常、笑わない登場人物、劇的なドラマもない。

35mmモノクロフィルムで撮影された映像は、粗い。

ただただ、日々を切り取ったかのような定点撮りワンショットシーンを、ぶつ切りのブラックアウト(黒み繋ぎ)でつないでいく。まるで、日記のような感覚。

そもそも、僕らの毎日はちっとも劇的ではないし、腹を抱えて笑うような出来事は滅多に起こらない。

それでも、だれかと食べる晩御飯は美味しいし、夜更かしして観るどうでもいい内容のテレビに、幸せを感じたりする。

スーパーヒーローが、宇宙人の侵略から地球を救うわけでもない。タイムスリップして過去の自分に出会う話でもない。恐竜も、人食い鮫も、ロボットも、ゴーストも、魔法使いも出てこない。

『ストレンジャー・ザン・パラダイス』は、僕らの日常と地続きになっている、なんてことはないただの物語だ。