『シャッターアイランド』感想・考察を解説【スコセッシ史上最も不運な名作】 | The Bird's Nest Hair  

『シャッターアイランド』感想・考察を解説【スコセッシ史上最も不運な名作】

マーティン・スコセッシ監督作品、レオナルド・ディカプリオ主演作として2010年に公開された『シャッターアイランド』。

スコセッシ史上最高難度との呼び声の高い本作ですが、僕は全くそんなことはないと思っています。

FT

一人の悲しい男の人生」に焦点を当てて鑑賞することをおすすめします。

本記事では『シャッターアイランド』の見どころや感想、そして“不運”だという意味やラストシーンの解釈をネタバレありでご紹介します。


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『シャッターアイランド』の評価

(C)2009 by PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved.

シャッターアイランドのレビュー
演出
(5.0)
音楽
(5.0)
ストーリー
(4.0)
キャスト
(4.0)
リピート
(4.0)
総合評価
(4.5)

個人的にはミステリーとしても単純にエンタメとしての映画作品としても、スコセッシ監督作品の中でも、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』と並んで何度も観返している大好きな作品です。

やはりスコセッシ×ディカプリオは、スコセッシ×デニーロに並んで最高です。

ただし、観る側にもそれなりのエネルギーと集中力が必要な作品なので、気軽に観返そうとはなりにくい作品です。

『シャッターアイランド』あらすじ

(C)2009 by PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved.

ボストンの沖合に浮かぶ「シャッター アイランド」には、精神を病んだ犯罪者を収容する病院があった。四方を海に囲まれたこの島からある時、ひとりの女性患者が姿を消す。連邦保安官テディ・ダニエルズは捜査のため相棒チャックとともにこの島を訪れるが…。

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『シャッターアイランド』のあらすじとネタバレ(オチ)

(C)2009 by PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved.

先に最大のにネタバレ、この物語をオチをお伝えします。(でないと、先に進めないので)

四方を海に取り囲まれた絶海の孤島『シャッターアイランド』には、精神に異常がある犯罪者を収容する病院がある。レイチェルという一人の女性収容者が逃げ出したと報があり、捜査のために島に乗り込む主人公、連邦捜査官のテディ・ダニエルズ(レオナルド・ディカプリオ)

一人の女性収容者の脱走は、この島に隠された巨大な陰謀のほんの一部にしか過ぎず、なんとこの島では精神異常者を利用した悪の人体実験が行われているという…。

さらに、テディが長きにわたって追い続けている、自分の妻と子を殺害した憎き放火魔アンドリュー・レディスもこの島にいるという手がかりが…

巨大な真実を暴くため、復讐のため、捜査と̪私怨の間で揺れ動くテディは、しかし、一人で巨悪に立ち向かう…。

というのが、“この物語”のだいたいのシナリオです。

そして、重要なのは、この物語がどこで語られている物語なのか。ということです。

どこで、つまり、誰の頭の中で語られているストーリーなのか…


この物語オチはだれが観ても一目瞭然というか、ミステリーやスコセッシ作品が好きな人なら、むしろ観る前からオチが分かってしまうというか…

そう、この物語は全て主人公の頭の中の空想の物語だったのです。

精神をきたしているのは、主人公。収容者は主人公なのです。連邦捜査官としての任務も人体実験も巨悪の存在もすべて嘘、妄想。

過去のトラウマから、自分の中にもう一人の自分(人格)を作りだし生きている悲しい男…テディ・ダニエルズ。

いや、アンドリュー・レディス。


二つのトラウマを抱えた悲しき男、レディス。

第二次世界大戦でドイツ兵を大勢殺してしまった過去にトラウマを抱えてしまったレディスは、酒に頼るようになり、捜査の忙しさ(過去は本当に連邦捜査官だった)妻のドロレスと三人の子が待つ家に、あまり帰らなくなってしまった。

ドロレスは、寂しさと育児ノイローゼのようなものから精神を病んでしまい、自分たちが住むアパートに火をつけてしまう。そう、放火をしてしまう。

街から離れた湖畔に移り住んだレディス一家。捜査もひと段落し、愛しの妻とわが子が待つ家に帰った彼を待っていた現実はあまりにも悲しかった。

妻、ドロレスは、精神の病から三人の我が子を手にかけてしまった、殺してしまったのだ。

楽にしてくれと願う妻に、弾丸が込められた拳銃をむけるレディス。

悲しき男は泣きながら最愛の妻をその手で殺した。妻と子を失ってしまっレディスの心は、深いトラウマを負い、崩れ落ちてしまう…。

という、二つの消えないトラウマを抱えた悲しき男の物語が『シャッターアイランド』です。

『シャッターアイランド』のメインは謎解きではない

(C)2009 by PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved.

本作の監督マーティン・スコセッシは、

「映画とは、誰かの人生を描くことによって、他者の感情や心に訴えかけるものである」

という理念の持ち主です。

その理念のもと彼が撮ってきた作品は全て、『タクシードライバー』も『キング・オブ・コメディ』も『ウルフ・オブ・ウォールストリート』も…

「一人の男の悲しさと狂気」が描かれています。

その一人の男の物語に、僕ら観客は訴えかけられるです。

『シャッターアイランド』の主題と本筋も当然、「一人の男の悲しみと狂気」です。そこにドラマがあります。

繰り返しますが、『シャッターアイランド』のメインは「謎解き」ではなく「一人の男の人間ドラマ」です。

しかし、日本の配給会社はそうとは受け取らなかったようです。

それこそが本作最大の不遇であり、悲劇です。

『シャッターアイランド』最大の不運

(C)2009 by PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved.

『シャッターアイランド』最大の不運は、宣伝が不適切だったから。これに尽きます。

日本の配給会社の宣伝こそが巨悪です。

本当に良くない。

以下、引用しています。

・「精神を病んだ犯罪者だけを収容する島から、一人の女性が消えた—。」
・「この島は、何かがおかしい。」
・「全ての謎が解けるまで、この島を出ることはできない。」

日本では「衝撃のラスト」という触れ込みで宣伝され、上映前には「この映画のラストはまだ見ていない人には決して話さないでください」「登場人物の目線や仕草にも注目しましょう」という旨のテロップが入った。

Wikipedia引用

そう、もう、これでもかとかというほどしつこい謎解きプッシュ、謎解きの押し売り

観る前からこちら側(観客)は、「あ、これは謎解きミステリーものなんだな。しかも、謎は相当に難しいらしい。よし、その謎解いてやるぜ」という状態で物語を観てしまいます。気分はまるで名探偵です。

「あなたは、名探偵です。この謎を解き明かして下さい」

これは本当に良くない。

予め、心の位置、物語を見方を決められてしまうこの手の宣伝は本当に良くないです。

観客をなめていると言ってもいいです。

良くない理由は2点あります。

  1. 登場人物に感情移入できない
  2. 本当のうまみは謎解きではなく演出と演技

①:登場人物に感情移入できない

何が良くないって、この宣伝によって、観客は一歩引いた視点からでしか本作を観ることができないわけです。神様視点というか俯瞰した視点ですよね。

つまり、映画の外からでしか映画を楽しめなくなってしまう。登場人物の誰にも感情移入ができなくなってしまいます。

レディスの悲しき人生に同情や心を痛めることもなく、「ふーん」程度にしか思えない可能性すらあります。

先ほど話した通り、本作にとって謎解きはあくまで副産物であって、悲しき男の物語こそが作品の主題だと僕は思っています。

②:本当のうまみを分からなくさせる

正直、『シャッターアイランド』の謎、オチ自体は全然大したものじゃないし、誰でも気づける簡単なものです。

本作のミソは、ストーリーの巧妙さではなくて、オチに持っていくまでのスコセッシ監督の演出の巧みさであったり、ディカプリオをはじめとした名優の演技です。

謎解きばかりに集中してしまうと、この映画の本当に美味しいところを見逃してしまいます。

あと、普段からミステリー系を好む人にとっては、オチにがっかりすることでしょう。

妄想、所謂“夢落ち”なんて、古今東西あらゆるジャンルの作品で使われてきた王道中の王道です。

それを、宣伝であれだけ煽られしまうと、「え?謎ってこんなもの?これで終わり?」となってしまいます。

『シャッターアイランド』見どころ

(C)2009 by PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved.

①:レオナルド・ディカプリオの存在

やはり、『シャッターアイランド』は、レオナルドディカプリオの演技というか存在あってこそです。

上でも述べたように、本作の謎自体は正直チープなものなので、観客はなんとなく「あ、これ狂ってるのは主人公だ」って気が付きます。

ただ、面白いのが「実は狂ってました主人公」を演じているのが、ディカプリオだということで。

レオナルド・ディカプリオといえば、世界中誰もが認めるスーパースターです。

「主人公ちょっとおかしいけど、でもディカプリオだしな…。

「あの、ディカプリオの言うことだったら本当か?」

という思考が鑑賞中、常に脳裏にあるわけです。

演技というか、レオナルド・ディカプリオがレオナルド・ディカプリオであればるほど、観ている側は揺れ動きます。

「主人公のことを信じたい気持ち」と、でも「どう考えてもコイツおかしい」という全く違う二つの気持ちで観客を揺さぶる、これこそ本作が一番巧みなところだと思います。

ディカプリオをキャスティングした時点で本作はすでに勝っていたのです。

②:興味を唆らせる世界観

絶海の孤島、多数の精神異常者、廃墟のような病棟、1950年代という時代背景…

映画好き、創作物好きのツボをこれでもかと刺激する設定がてんこ盛りで、実際に映像も素晴らしいものになっています。

ただ、夜に明かりを消して一人で鑑賞するには割と勇気がいるというか、少し怖いシーンもあるので、ホラー系が苦手な方は部屋を明るくして離れて観ましょう(注意テロップ?)

③:主人公の心情とシンクロする音楽

映画がはじまって間もないシーンで、レコードから憂いを帯びたピアノカルテットが流れてくるシーンがあります。

一人の人物が「ブラームスか?」と、レコードを流す人物に問います。

しかし、レコードの主は「いや…」しか答えません。

少し間を開けて主人公が「マーラーだ…」と答えます。

そう、ブラームスのような響きのある曲は、マーラーのものだったのです。

特別クラシックファンというわけではありませんが、(というか、クラシックに関しては全く明るくありませんが)何故か印象に残っているシーンです。

本作では主人公の心情を表すようにして、音楽が要所要所で非常に効果的な使われ方をしています。

抑制のきいた静かで重たい音楽が、ある時は不気味に、ある時は悲しく、ある時は切なく…

台詞の代わりに音楽が、主人公の考えや心情を表しているのです。

この手法というか作品全体の雰囲気は、(スコセッシ作品から多大な影響を受けたと公言している)2019年最大の話題作『ジョーカー』にも受け継がれています。

『シャッターアイランド』ラストシーンの解釈

(C)2009 by PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved.

主人公ジャニスが、精神を患っていると明かされたクライマックスのシーン。

以前から暴力行為などの問題行動が多かったジャニスは、ロボトミー手術を受けることになっていました。

ロボトミー手術とは?

爆発性精神病質などの診断を受けた患者に対し、情動緊張や興奮などの精神障害を除去する目的で前頭葉白質を切除する手術。

前頭前野は、意志、学習、言語、類推、計画性、衝動の抑制、社会性などヒトをヒトたらしめている高次機能の主座である。

Wikipedia引用

つまり、人を人でなくしてしまう、廃人にしてしまう、禁忌の手術です。

恐ろしい手術を受ける前の「最後のチャンス」として、ジャニスを正気に戻すために島の医師や職員が総出となって彼の嘘、妄想に付き合った2日間の要素が本作で描かれている主な内容です。

現実と妄想の矛盾を目の前に突きつけられても、ジャニスは正気に戻ることはありませんでした。

最後の手段として彼にロボトミー手術を実行する直前、彼はこうつぶやきます。

「どっちがマシかな?モンスターのまま生きるか、善人として死ぬか、」

これが正真正銘のラストシーンです。

そして、解釈は大きく2パターンに分けられます

①:正気に戻っているうえで感情の放棄を望んだ説

ぼく個人的にも、この意見です。

じつは映画のところどころでジャニスが、妄想から現実に戻っていると思われるシーンがあります。

そして最後の台詞です。

つまり、本当は現実と妄想の区別がついて正気に戻っている、正気に戻っているうえで狂人のふりをして感情を無くすことを望んだ。

今さら普通には生きられないし、生きていく意味もない…

だから「人間としての死」を選んだ。

これが一番しっくりくるように思います。

②:妄想は妄想ではなかった説

二番目は、ジャニスの妄想は妄想ではなかった説です。(いや、妄想が妄想ではなかったとしたら、本名はテディ・ダニエルズか…)

つまり、この島では“本当に”違法な人体実験、ロボトミー手術が極秘に行われていた。

そして島の秘密を知っているレイチェルという女性が逃亡。調査にやってきた連邦捜査官のテディを捕らえ、薬漬けにし、“あたかも自分が精神異常者であるかのように言い聞かせた”。

真実を捻じ曲げ、闇に迫ろうとする厄介な男をロボトミー手術で抹消する。

と、いう説です。これも結構あり得ると思います。

ジャニスの妄想の中では、医療の専門ではない人物では到底知り得ないような専門用語が飛び交うシーンが、多々存在します。彼には医療知識はもちろんありません。だとすると、彼の妄想は…。

恐ろしいですね。

『シャッターアイランド』を無料で観る方法

(C)2009 by PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved.

冒頭でも『シャッターアイランド』を無料で観れる方法があるとお伝えしたことを覚えていますか?

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31日間の無料トライアル期間に解約すれば料金は一切かかりませせん。かかるのは無料申し込みと解約手続きの手間くらいですね。(あわせても5分ほどで完了します)

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あとがき

(C)2009 by PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved.

とにかくスカッと楽しめる大迫力のハリウッド超大作も、スコセッシ作品のような余韻がじんわりと駆け巡るような作品も、

FT

僕は、どちらも大好きです。

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マーティン・スコセッシ最新作について

マーティン・スコセッシ監督待望の最新作『アイリッシュマン』が、いよいよ11月15日から期間限定公開(その後はNetflixにて配信)されます。

詳しくは下記記事にまとめているので、スコセッシファン、映画ファンの方は是非チェックしてみてください。

スコセッシ最新作『アイリッシュマン』あらすじ・見どころ
『アイリッシュマン』を観るべき5つの理由とあらすじ【スコセッシ史上最高傑作】


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