『パーマネント・バケーション』あらすじ・ネタバレ・感想【ジム・ジャームッシュのデビュー作】 | The Bird's Nest Hair  
【2020/03/04】New Article Update!

『パーマネント・バケーション』あらすじ・ネタバレ・感想【ジム・ジャームッシュのデビュー作】

数々の名作を手掛けるニューヨーク・インディーズ映画界の帝王ジム・ジャームッシュ。

彼の長編デビュー作にして不朽の名作『パーマネント・バケーション』は、ニューヨーク大学映画学科の卒業制作として、わずか12,000ドルで作られたといいます。

『パーマネント・バケーション(永遠の休暇)』というタイトルや、作品製作のために授業料や奨学金をつぎ込みすぎて卒業することができなかったという、嘘のような本当のエピソード…

「処女作にこそ、作家のすべてがある」

とは、よく言いますが、ジム・ジャームッシュほど、「処女作に作家のすべて」がある映画作家は珍しいかもしれません。

Milk

1980年公開の映画ですが、16mmフィルムに焼き付いた輝きは、今でも色褪せてはいません。

本記事では、『パーマネント・バケーション』のあらすじ(ネタバレ)・感想をまとめています。

『パーマネント・バケーション』スタッフ&キャスト

『パーマネント・バケーション』スタッフ

『パーマネント・バケーション』スタッフ
監督ジム・ジャームッシュ
脚本ジム・ジャームッシュ
製作ジム・ジャームッシュ
撮影ジェームズ・A・レボヴィッツ
音楽ジョン・ルーリー

監督・脚本・制作:ジム・ジャームッシュ

今や、ニューヨーク・インディ映画界の巨匠として知られるジム・ジャームッシュの初の長編作品。

作家を志し、単身パリへと渡仏した若きジャームッシュは、そこで映画の世界、表現に魅了される。

帰国後、ニューヨーク大学で映画を学んだジャームッシュが卒業制作として創り上げたのが、本作『パーマネント・バケーション』。

主人公クリス・パーカーは、ジム・ジャームッシュ自身であり、そして、孤独を感じる世界中の一人ぼっちでもある。

『パーマネント・バケーション』キャスト

『パーマネントバケーション』キャスト
クリス・パーカーRichard Boes
ジョン・ルーリーRuth Bolton
リーラ・ガスティルLeila Gastil

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『パーマネント・バケーション』あらすじ(ネタバレ)

街を行き交う人々。人ごみ。ニューヨークの雑踏。

表通りの人の波が嘘のように静まり返った、荒れ果てた路地裏。

一人の青年。その手にはスプレー缶。

「アリーはトータルにいかれてる」

少年は、ただ何となく壁に落書きをする。ガムを食べるよりも自然に、ただ何となく。

クリス・パーカー。

本名、アロイシュス・パーカー。アリーとは自分自身のことだ。

部屋と人間は似ている。新しい部屋は綺麗で物珍しい。悪いところがない。

でも次第に、時が経ち、古びてくると嫌悪感でいっぱいになる。部屋も人間も。

物語はひとつの点の集合体だ。

ひとつの点から別の点に移る。

対して何かが変わるわけではない。

僕の物語も同じだ。

「そこ」から「ここ」。いや、「ここ」から「ここ」への話。

同居人リーラの元に、彼女の部屋に、久方ぶりに戻ったクリス・パーカー。

彼は、行く当てもなく「漂流」することで、心の平穏を保っている。

無造作に置いてあるレコードプレーヤーをかけるクリス。流れるジャズ。

無類のジャズ好きであるクリスは、音楽に合わせて踊り狂う。何かを忘れるように、まるでこの部屋に自分以外誰もいないかのように。

ロートレアモンの「マルドロールの歌」を、感度の悪い古いラジオ機のような声で朗読するクリス。

聴衆はリーラ、ひとり。

彼らは孤独について語り合う。

孤独を感じずに住む方法は、「漂流」することだと言うクリス。

クリスは、母親に会いに行くことを決意する。

父がこの世を去ってから精神を病んでしまった哀れな母親。今は精神病院に収容されている母親。

ニューヨークの高層ビル群、時代の繁栄。に、取り残された一角。

建物は瓦解し、まるで戦時中そのもののような風景。1980年の今でもベトナム戦争が続いていると信じて疑わない、哀れな男性までいる始末だ。

目的の場所にたどり着いたクリス。母がいる病院。口が裂けても綺麗とは言えない場所。

母が待つ一室に入るクリス。

そこには、彼の母ルースとひとりの老婆の相部屋だった。

クリスの語り反応を示さない母親。かわりに、隣の老婆が甲高い笑い声を上げ続ける。

狂っている母親を目の当たりにして、クリスは再び孤独に苛まれる。

彼は再び、ニューヨークの日陰を「漂流」する。

夜のニューヨーク。

クリスは、サックスを手に持った一人の男性に出会う。

「一曲、聴かせてくれ」

クリスのリクエストに応える、サックス吹き。

ニューヨークの裏側、ボロボロの街並みに響く美しく儚い音色。

クリスは立ち止まることなく、背中でその音を聴いた。

翌朝。

外で夜を明かしたクリスは、再び「漂流」を開始する。

盗んだ車を売って、少しばかりの大金を手に入れる。

リーラが待つ部屋に戻るクリス。

しかし、彼女の姿はどこにもない。

窓辺に腰掛け、外を眺めながら煙草をふかす姿も、台所にとって作業する姿も、どこにもない。

クリスはトランクに、自分のパスポートと洋服を詰め込む。

彼の人生の全てだ。

彼は置手紙を残して部屋を後にする。

翌日。

トランクを抱えたクリスが立っている場所は波止場。ニューヨークの波止場。

クリスの他に一人の姿があった。

クリスと歳の近い少年。トランクを持っている。

「彼」は、パリから来たという。

汽笛が鳴り、船が一隻到着する。船の行先は、パリ。

「彼」と入れ替わるように、クリスは船に乗り込む。

ニューヨークが離れていく。手の届かないほど遠くへ。

『パーマネント・バケーション』感想

ひとりぼっちだけどひとりぼっちじゃない

あなたがもし、孤独に苦しんでいるとしたら、自分は独りだと感じているのであれば、きっとこの映画に救われるはずです。

人は、「一人」だけど「独り」じゃない。

自分と同じように孤独に悩んでいるひとりぼっちが、世界中にたくさんいる。

そのことを知った瞬間、自分は孤独ではなくなる。ひとりぼっちではなくなる。

「ひとりぼっち」が「ひとりぼっち」のまま、「ひとりぼっち」でなくなる。

孤独を恐れてさまようクリス・パーカーは、若き日のジム・ジャームッシュそのものの姿であり、孤独を感じたことがある全ての人の姿でもあります。

自分の居場所を求め、ニューヨークの大都会を彷徨い歩く、少年の姿に、自分自身を重ねずにはいられません。

ラストのシーンでクリスは、パリからやってきた、自分と同じ孤独な少年に出会います。

その瞬間、クリスの中で孤独は辛いものではなくなるのです。

自分と同じような孤独な存在が、ひとりぼっちの存在が、他にもいる。

そのことを知ったクリスの旅は、当てのない「漂流」ではなくなるのです。

「点」と「点」が、物語に

「漂流」には、目的である「点」がありません。

あてもなくふらふらと彷徨う「線」だけが残る。まるで、眠気に耐えてノートに書きこんだ読めない字のように、それは何一つ意味をなさないものです。

クリスはラストで「パリ」という目的の場所を得ます。

「点」を手に入れた彼は、船へと乗り込みます。

物語は「店」と「点」の集合体。

クリス・パーカーの物語は、始まったばかりなのです。

あとがき

ジム・ジャームッシュ作品がとても大好きです。

彼の作品を観ていると、退屈な日常や生活、人生も「捨てたもんじゃないな」と思わせてくれます。

日常から非日常へ連れていってくれる映画ではなくて、日常にそっと寄りそってくれるような…

Milk

そういう映画って、あまりないですよね。

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