映画『パラサイト 半地下の家族』ネタバレ(あらすじ)・感想【爆笑必至の極上エンターテイメント】 | The Bird's Nest Hair  
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映画『パラサイト 半地下の家族』ネタバレ(あらすじ)・感想【爆笑必至の極上エンターテイメント】

全世界鳥肌熱狂!ユーモア、サスペンス、アクション…映画の全てが詰まった超一級極上エンターテインメントでありながら、ハリウッド的ではない。

決して、ハリウッドに「パラサイト」されない、鬼才ポン・ジュノ監督。彼だからこそ、ハリウッド以外だからこそ描くことができた、現代資本主義社会の光と闇を炙り出した『パラサイト 半地下の家族』。

「寄生」「共生」「何度も出てくる階段のシーン」「何度も映る大きな窓越しのショット」「真夜中の大雨」「団結する貧困層」「バラバラな富裕層」…etc

散りばめられた無数の布石がひとつになる驚愕の展開、そして、加速していく狂気の物語…

FT

間違いなく本年度最高傑作の一つです。絶対に映画館で観るべき映画です。

本記事では、『パラサイト 半地下の家族』のネタバレ・評価・感想を掲載しています。

ネタバレの前に

まずはじめに、パンフレット内に掲載されているポン・ジュノ監督の以下の文章をお読みください。

皆さんの思いやりのあるネタバレ回避は、これから本作を観る観客と、この映画を作ったチーム一同にとっての素晴らしい贈り物となります。

頭を下げてもう一度みなさんに懇願をします。

どうか、ネタバレをしないでください。みなさんのご協力に感謝します。(ポン・ジュノ)

ポン・ジュノ監督の懇願を無視して、僕はこれからネタバレを書きます。

それは、この素晴らしい映画を、少しでも多くの人にリアルタイムで観てもらいたいからです。

僕の母親は、「推理小説をお尻から読む人」です。変わっていますが、そういう人も実際にいます。結末を先に知っておきたい人。

母曰く、安心して物語に入り込めるのだそう。

そういう人にとって、ネタバレは必要なものなのです。

僕は、「推理小説をお尻から読む人」と、すでに『パラサイト 半地下の家族』を観た人に向けて、本記事を書いています。

監督の意に反していることをしているわけですから、このネタバレ記事でお金を儲けようとは思いません。広告は一切貼っていません。

少しでも多くの人に、素晴らしい映画体験を。

『パラサイト 半地下の家族』の評価

(C)2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED

『パラサイト 半地下の家族』のレビュー
演出
(5.0)
音楽
(4.0)
ストーリー
(5.0)
キャスト
(4.0)
リピート
(5.0)
総合評価
(4.5)

第72回カンヌ国際映画祭では、審査員満場一致による「最高賞」のパルムドールに輝いた『パラサイト 半地下の家族』。

韓国映画として初の同賞受賞という、歴史的快挙を成し遂げています。

さらには、第92回アカデミー賞の国際長編映画賞 韓国代表にも選出。「外国語映画賞」だけではなく「作品賞」受賞の最有力候補としても、世界中から大きな注目を集めています。

本国、韓国での動員人数は1,000万人を超え、フランスでも170万人を突破。アメリカでは、2019年の外国映画興行収入1位を記録。27の国と地域で韓国映画の歴代動員記録を塗り替えるなど、まさに、世界が『パラサイト 半地下の家族』に熱狂しています。

そして、ここ日本でも2020年になってようやく、公開が開始されたというわけです。

戦後最悪とも言われている日韓関係の悪化が公開の遅れの原因だと推察できますが、優れた「芸術」「文学」に、「政治的思考」は関係ありません。

普段、韓国をあまり快く思っていない方にこそ、余分なフィルターやバイアスを取っ払って、観てほしい。

FT

この映画は最高です。この映画は面白い。

『パラサイト 半地下の家族』スタッフ&キャスト

(C)2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED

『パラサイト 半地下の家族』スタッフ

スタッフ
監督ポン・ジュノ
脚本ポン・ジュノ
製作クァク・シンエ/ムン・ヤングォン/チャン・ヨンファン
撮影ホン・ギョンピョ
音楽チョン・ジェイル

『パラサイト 半地下の家族』キャスト

キャスト
キム・キテク(父)ソン・ガンホ
キム・ギウ(息子)チェ・ウシク
キム・ギション(娘)パク・ソダム
キム・チョンソク(母)チャン・へジン
パクイ・ソンギュン
ヨンキョ(パクの妻)チョ・ヨジョン
ダヘ(パクの娘)チョン・ジソ
ダソン(パクの息子)チョン・ヒョンジュン

『パラサイト 半地下の家族』ネタバレ(あらすじ)

(C)2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED

『パラサイト 半地下の家族』は、ストーリーを7分割することができます。

それが、以下の通り。

1.モノローグ 半地下家族紹介

2.作戦開始 仲間集め

3.豪邸だよ全員集合

4.驚愕の事実発覚

5.雨の夜の出来事

6.衝撃のクライマックス

7.エピローグ その日まで

上映時間が132分なので、7で割って1つのストーリーが、だいたい20分弱。

チャプターというよりは、20分間の7つのストーリーが、7個連続で描かれているイメージです。

それぞれに狙いがはっきりしていて、分かりやすく色分けもされているので、ラストに驚きを持ってくる映画の構成としては意外にシンプルです。

それぞれの20分の中で起承転結をしっかりとやり切りながら、次のドラマへ、また次のドラマへ…というように、話しが運んでいくので、とにかく展開がスピーディで、観客を一切飽きさせません。

さらに、ラストに近づくにつれて体感時間的には、どんどんどんどんスピード感が増していきます。

観客を待ち受ける(起承転結の)「結」に次ぐ「結」、「クライマックス」に次ぐ「クライマックス」。終始最高潮の超興奮状態。

映画のパワーに、ただただ圧倒されます。

それでは、以下より本編のネタバレ(あらすじ)を掲載しています。自己責任でお願いいたします。

*大きなネタバレは④以降です。

①:モノローグ 半地下家族紹介

むさ苦しい半地下のアパートに住むキム一家。

大の大人4人が住むには狭すぎる「家」。

家具らしい家具はなく、荷物は散乱、日が差し込む代わりに雨水が流れ込んでくる。

目の高さの道端では、通行人が小便をする。

上の階の住人のWi-Fiに無許可で接続し携帯電話を使用。害虫駆除の殺虫スプレーを迎え入れるために窓を全開にして家の中を洗浄する。

「半地下」の極貧暮らし。部屋干しの雑巾のような臭いが蔓延している。

職を転々として、今は無職の父親。

ハンマー投げの選手だったが、誇れる結果がでないままに歳を取ってしまった母親。無職。

大学入試に四度失敗し、今は無職の息子。

美大に入りたいが、お金がなくて入学できない娘。無職。

宅配ピザの箱を組み立てて、その日暮らしの小銭を稼ぎをして生き延びる「半地下」の家族。

ある日、長男ギウは、友人から家庭教師アルバイトの話しを持ち掛けられる。

ギウは、ある「計画」を思い付く。

②:作戦開始 仲間集め

偽装書類を手に持ち、豪邸のチャイムを押すギウ。

大学生だと身分を偽り、持ち前の達者な口を活かして、無事に家庭教師の面接に合格したギウ。

豪邸に住むのはパク一家。

若くして成功を掴んだ実業家の主人。

美しい妻。

可愛らしい娘と息子。

絵にかいたような幸せな一家。

そんなパク家の長女ダヘに、英語を教える生活が始まる。曜日は月水金。

パクの妻ヨンキョは、長男ダソンの家庭教師も探していた。担当は美術。

ギウは、実妹のギションを紹介する。もちろん、関係は偽って。

兄とともにパク家にやってきたギション。ネットで得た小手先の知識を駆使して、難なく面接に合格する。

少しづつ変わり始めるキム家の暮らし。

もう、宅配ピザの箱を組みてる必要はない。どころか、今はピザを食べれるだけの金がある。

しかし、まだ、足りない。

ギウの「計画」を実行するときがきた。

授業後、パクの専属運転手(若い男性)に駅まで送ってもらうギション。

彼女は後部席でそっと下着を脱ぎ、それを座席のシートに(わずかに見えるようにして)隠した。

後日、運転手の雇い主であるパクが、それを見つける。当然、疑われるのは運転手だ。

「俺の車で何をやってるんだ」

運転手はクビになった。代わりがいる。

「腕のいい運転手が知っています。」

話しを切り出すギション。

その運転手とは、そう、他の誰もない、実の父親キテクだ。(もちろん関係は明かさない)

数日後、父キテクは、パクの前でハンドルを握っている。彼の専属の運転手として。

息子ギウは、英語の家庭教師。娘ギションは、美術を担当。

残るは、母チョンソクだけ。

言い忘れていが、パク家には一人の家政婦がいた。パク家がこの家に越してくる前は、先代の主に仕えていたという中年の女性家政婦が。

家政婦は、重度の桃アレルギーだった。

桃を口にすることはもちろん、触ることもできない。

キム一家は巧妙だった。

まず、事前に集めておいた桃の表面の微細な毛を、息子ギウが家政婦の身体にばれないように散布。

家政婦は激しいアレルギー反応を引き起こす。

次に、パクの妻と外出をしていた運転手のキテクが「家政婦は結核だ」という真っ赤なデマを、彼女に話す。

当然、すぐには信じないパク婦人。

家についた雇われ運転手と、雇い主の妻の目に飛び込んできたのは、のたうち回る家政婦。

彼女は、すぐに解雇され、パク家をあとにした。

そして、母チョンソクが新しい家政婦としてパク家に迎え入れられた。

③:豪邸だよ全員集合

ついに、全員がパク家に入り込むことに成功したキム一家。

パク家の前では他人同士を偽る4人だが、今日はその必要はない。

息子ヒョンジョンの誕生日を祝い、キャンプに出掛けたパク一家。

彼らの家で、ここぞとばかりにはしゃぐキム一家。

食材を食い漁り、片っ端から酒を開けて、勝利の美酒に酔いしれる。

外はいつの間にか、大雨。

深夜。鳴り響く玄関チャイムの音。

④:驚愕の事実発覚

やってきたのは、先代家政婦だった。桃アレルギーの彼女だ。

雨の中、傘もささずにびしょ濡れで、忘れ物を取りにきたのだという。

渋々、彼女を家にあげる現家政婦のキム・チョンソク。

キム家の残りの3人は、今日はここにいるはずのない存在。急いで物陰に隠れる。

「忘れ物は地下にある」という、先代家政婦。

倉庫になっている地下室へ降りていく二人。

地下室には隠し通路があった。

大きな木の棚を右にずらして現れた、この屋敷の「秘密」。

この屋敷を建築した先代の主しか知らない、現主のパクですら知らない秘密。

北朝鮮の攻撃に備えて作られた地下通路を進む、先代家政婦と現家政婦。

通路の先には…

通路の先にいたのは、先代家政婦の夫だという人物だった。

目は落ちくぼみ、痩せ細った男性…

もう4年以上、男は「地下の暮らし」をしていた。

地上に出れば、借金取りに追われるのだという。

地上で働く妻から救援物資をもらい、何とか生きながらえていた男。

しかし、妻が屋敷を解雇されてから物資の救援が途絶えてしまった。

「どうか、この人を生かしてやってください」

現家政婦に涙ながらに懇願する、先代家政婦。

そのやりとりを地上に繋がる階段から見えていた、キム家の父と子どもたち。

誰が誰の足を踏んだのかはよく分からない、よくある話だ。

とにかく3人は、転げ落ちた。

先代家政婦と先代家政婦の夫と現家政婦の目の前に。

3人の姿、やりとりを目にして全てを察した先代家政婦。

「こいつらのせいで自分は、職を失った」

すぐさまキム一家の姿を動画に撮って保存する。

「少しでも動けば、送信ボタンを押す」

送り主は、当然、パクだ。

送信ボタンは、さながら北朝鮮の核ミサイルの発射ボタンに。

⑤:雨の夜の出来事

4年ぶり、地上で再会した一組の夫婦。

なす術なく屈服していキム一家は、二人のわずかな隙を見計らって彼らのiPhoneを奪取する。

格闘の末、再び地下に連れ戻される男、そして、その妻。

「とにかく、一旦落ち着こう。」

家族4人が座り込もうと思ったその瞬間、屋敷の電話が鳴り響く。

着信相手は、パクの妻。

嫌な予感がする。

「大雨でキャンプは中止。あと、8分で家に帰るからジャージャー麵を作っておいてほしい」

屋敷のリビングは、いつも通りとは言い難かった。

食い荒らした残飯に空瓶、そして、争った形跡…

すぐさまジャージャー麵の支度に取り掛かる母。

屋敷を一斉清掃する父、息子、娘。

一刻を争う。少しのタイムロスも許されない。

ジャージャー麵が完成したのが先か、パク一家の帰宅が先か、それともリビングを元通りにしたのが先か…

とにかく、何とか間に合った。

寝静まったパク一家は安らかな寝息を立て、屋敷を逃げ出す(母を除いた)キム一家は息を殺す。

外は、大雨。

パク家の屋敷は高台にある。

無数の階段を下って、自分たちの家「半地下のアパート」に帰る3人。

しかし、帰ってきたその場所は、もはや家とよべるようなものではなかった。

大雨で下水道が決壊。

キム一家が暮らしていた「半地下」は、水没してしまっていた。

容赦なく流れ込む汚染水。彼らは家を失った。

翌日、避難所の体育館で、父キテクは悟った。

「計画があるからいけないんだ。計画がねければ、失敗しない。」

⑥:衝撃のクライマックス

大雨の被害があったのは、どうやら貧困層が暮らす地区だけだったらしい。

昨日の雨が嘘のように晴れた朝。穏やかな日曜日。

目を覚ましたパクの妻は、愛しい息子の誕生日パーティを、本日、自宅の庭園で開催することを急きょ思い付く。

彼女に召集されるキム一家。それぞれがそれぞれの役で、再び屋敷に集まる。

アメリカンホームパーティ式の豪華な誕生日会。

大きな庭園では、若きセレブ達が休日の午後を楽しむ。

まるで、地上の楽園だ。

一方、地下では、昨夜の男が目を覚ましていた。

共に軟禁されていた妻は、もうこの世にはいない。

昨晩の事件の最中、後頭部を壁に強く打ち付けたために命を落としていた。

セレブの世界に居心地の悪さを感じて、地下に降りてきたキム家の長男ギウ。

ギウは男と出会う。

男は容赦なく、ギウの頭をかち割った。岩を二度、彼の頭に打ち付けた。

砕かれたギウの頭部からは大量の血が流れる。

男は、地上へとあがった。

キッチンにあった包丁を手に持つ。

狙いは、庭園にいるキム家の長女ギション。

刃物を持った怪しい男が、自分たちの前に突然、現れた。当然、パニックに陥るセレブ達。

混乱の最中、刺されるギション。

父キテクと母チョンソクが飛び出して、男を押さえつける。

チョンソクは、近くに合ったバーベキュー櫛で、文字通り男を櫛刺しにする。

おびただしい血を流しながら運ばれる息子、おそらく助からない娘、けがを負う妻…

どうしてこうなった…

何が悪い…

何がいけなかった…

キテクの脳内で、感情の火花があがる

走り出すキテク

向かう先はパク

勢いよく包丁を突き刺すキテク。

血で染まった日曜日の午後。

⑦:エピローグ その日まで

ギションは死んだ。

父は今もまだ、行方が分からない。目撃情報もなく、忽然と姿を消した。

残されたのは、母と息子だけ。

ギウは、「笑いたくても笑ってしまう」後遺症を抱えてしまった。

ある冬の日、あの惨劇の屋敷を遠目から眺めるギウ。

あの屋敷には今、白人が住んでいる。あの場所で何が起こったのか知らない、白人が住んでいる。

彼は、屋敷のある異変に気付く。

リビングの電球が不規則に、いや、何らかの規則性を帯びて点滅している。

ツートン、ツートントン…ツートン、ツートントン…

モールス信号。

ギウは、暗号を解読した。

暗号の送り主は父キテクだった。

父は今も生きていた。

どこにも行ってなどいなかった。

父は、キテクは、ずっとあの屋敷の地下にいたのだ。

ギウは、ある「計画」を立てる。

大学に行き、お金を稼いで、いつの日か、あの屋敷を買う。そして、父を救い出す。

だから、その日まで。

『パラサイト 半地下の家族』感想

(C)2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED

2010年代社会派映画の最高到達点

資本主義が支配的な時代。広がる格差。

2015年に韓国政府が行った調査によると、国民の1.9%に及ぶ約36万世帯が「半地下」の生活を余儀なくされています。おそらく、現在では、その数はさらに増えているでしょう。

そもそも「半地下」の賃貸は、北朝鮮の攻撃に備えて建設された防空壕を住居用に貸し出したことがきっかけだといいます。

本来、半地下は住む場所ではないのです。

資本主義が支配的な世の中。地球で暮すためには他に選択肢はなく、否が応でも従うしかない現実。

広がる格差。搾取されるものと搾取するもの。

2010年代は、そんな時代を反映する映画が数多くつくられました。

第71回カンヌ国際映画祭の最高賞パルムドールに輝いた是枝裕和監督の『万引き家族』(2018)や、第69回の同賞を獲得した名匠ケーン・ローチ監督作『わたしは、ダニエル・ブレイク』(2016)、同じくローチ監督作の『家族を想うとき』(2019)…

2019年最大の話題作だった『ジョーカー』も、時代設定こそ違いますが、映画で描かれた社会は現代を反映させたものでした。

そして、『パラサイト 半地下の家族』。

本作は、2010年代に作られた社会派映画の集大成にして最高到達点です。

今、観ることに意味がある映画です。

階級の壁を超える瞬間

部屋干し雑巾の臭いが染みついた「半地下」暮らしの貧困家族キム一家。

街の高台に建つ豪邸に住む信仰富裕層のパク一家。

二つの家族の間にある、超えられない格差の壁。

その壁を突破する唯一の手段は、低所得層と富裕層が交わる瞬間は、両者で結ばれる「雇用関係」です。

決して交わることがなかった者たちが、途端、互いの息が感じられるほどの距離で共生を強いられるのです。

この距離感、異なる階級者同士の共生の様子が、まるで他人の私生活を密接に覗き見しているのような近さで描かれるのが、『パラサイト 半地下の家族』です。

「計画」がなければ、失敗することはない

散々な目にあったキムが悟った真実、「計画」がなければ、失敗することはないということ。

様々な事業に挑戦しては、失敗してきた過去。家族の人生をかけた一世一代の「計画」だった今回。

帰る場所だった我が家は汚水に沈み、今、自分は見知らぬ他人と一緒に、避難所の床で寝そべっている。

こんなことを「計画」したか?

いや、するはずがない。もう、どうでもいい。

「計画」がなければ、失敗することはないということ。それは、たしかに間違いではないのかもしれません。

しかし、「計画」を立て挑戦しなければ、成功もあり得ません。

それでも「計画」を立てる

ラストのシーン、長男は、いつの日か父親をあの「地下室」から救うために、壮大な「計画」を立て、それを遂行することを決意します。

大学に行き、金持ちになって屋敷を買い戻す。正々堂々、父親を救い出す。

正攻法の「計画」。

事件の後遺症、執行猶予、世間の目…

困難であることは間違いありません。

それでも、彼は「計画」を立てて、それをやり遂げることを胸に誓ったのです。

正直言って、彼ほど悲惨な状況の人ってそんなにいないと思います。

しかし、そんな悲惨な彼がやると言ったんだから、やっぱり僕らも、今、この時代を生きなければいけません。

あとがき

(C)2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED

2020年、これを超える映画に出会えることができるのか…。

いきなり、年間ベスト級の大大大傑作を映画館で観てしまいました…。

終始、映画のパワーに圧倒されっぱなしの132分。

鑑賞後には、体中の筋肉が強張っていました。

FT

作り手の思いが宿った映画には、こちらも、全身全霊の知力と体力、敬意をもって向き合う他ありません。

では、最後に、ポン・ジュノ監督の言葉を。

「映画は世界を変えられますか?」

という問いに、確信をもって「はい」とは答えられません。

しかし、それでいいと思っています。

「映画という存在、そのものが美しい。それだけでいいのではないでしょうか。」