『ネット上の人間関係についての簡単な調査(原題:A Brief Inquiry Into Online Relationships)』
THE1975待望の新作がいよいよいよ今週末リリースということでわくわくが抑えきれません。全世界同時発売です。
日本盤CDには限定のボーナストラックがあるし、でもレコードも欲しいしどうしよう、というのが最近もっぱら悩みの種です。(たふんどちらも買うことになると思いますが…)
- The 1975
- Give Yourself A Try
- TOOTIMETOOTIMETOOTIME
- How To Draw / Petrichor
- Love It If We Made It
- Be My Mistake
- Sincerity Is Scary
- I Like America & America Likes Me
- The Man Who Married A Robot / Love Theme
- Inside Your Mind
- It’s Not Living (If It’s Not With You)
- Surrounded By Heads And Bodies
- Mine
- I Couldn’t Be More In Love
- I Always Wanna Die (Sometimes)
収録曲も全て発表されています。(太字は先行シングル)
アルバム発売直前のこのタイミング、先日公開になった『Sincerity Is Scary』のMVがこれまた最高です。
マシュー・ヒーリーが歌い踊るミュージカル仕立てのMV。
THE1975史上でも最も爽やかでお洒落なMVに仕上がっているのではないでしょうか。
それにしても、このタイミングでこの映像を持ってくるの本当にずるいと思います。どこまでワクワクさせやがるのでしょうか。
休日の朝がよく似合う、まったりとコーヒーを飲みながら部屋で流したい、そんな映像です。
(タップできる)目次
『ネット上の人間関係についての簡単な調査』の先行シングル
GIVE YOURSELF A TRY
MVに映るマシューヒーリーのビジュアルに度肝を抜かれた第一弾先行シングル。
度が過ぎるほどキャッチーなエレクトロ・ポップチューン。
しかし、軽薄なポップサウンドとは対照的に、歌詞はとても重いです。歌われている輝かしい成功の裏で重度のドラッグ中毒に苦しんでいたマシューの生々しい実体験の数々、
(「若い頃の自分に何を伝えたいかって? お前はこの先金持ちになって、ドラッグに溺れて、ネットであらゆる薬を買いまくることになるよ」)
Love It If We Made It
・トランプ政権
・女性蔑視発言
・リル・ピープの死
『Love It If We Made It』で歌われるのは、現代社会と現代人を取り巻く問題の数々です。
「何かを成し遂げられたら最高」という曲で歌われる、
「俺たちは置いてけぼりにされた。俺たちは現代の失敗作だ」いう一節。
混沌とした2010年代に対する2010年代最大のロックバンドとなった彼らからの直球で壮大な皮肉。
「これはまさに最初にできた楽曲の一つでね。味深い曲だよ。文脈が張り巡らされているわけじゃないんだけど、ここで僕が言おうとしているたくさんのことというのは人々の発言や僕が読んだ見出しだったりなんだ」
―マシュー・ヒーリー
TOOTIMETOOTIMETOOTIME
印象的なサビのフレーズが頭から、耳から離れないこと間違いなし。the1975らしい歌詞とサウンドは中毒性抜群です。
僕たちは、“カルチャーの終焉”を美として見ているのではなく、
“美が朽ち果てていく”というカルチャーの目撃者だ―マシュー・ヒーリー
退廃的で混沌としたこの時代をクールにポジティブに、まるでステップを踏みながら渡り歩いて行くような彼ららしい感覚が素晴らしい。
It’s Not Living (If It’s Not With You)
青空に突き抜ける上昇気流のような高揚感あるサウンドと英国ロックバンド必殺のロマンチックメロディ。
とは、対照的にこの曲の『ディストピア』的テーマの歌詞には思わずハッとさせられます。
「僕らは見せかけの現実を生きているのかもしれない」
「Danny says we’re living in a simulation But he works in a petrol station (selling petrol)He says it all began with his operation And I know you think you’re sly but you need some imagination
(ダニーは僕らが見せかけの世界を生きていると言う。けれど、彼はガソリン・スタンドで働いている(石油を売っている)。すべては彼の行動で始まったと言う。君がバカにしているのは分かる。でも、ちょっと想像力が必要だよ)」
―It’s Not Living (If It’s Not With You)
Sincerity Is Scary
ブリティッシュロックバンドだけに許された美しいメロディ、夕方5時のチャイムのように儚げなトランペットの響き。
クラシカルなゴスペルコーラスと現代的なリズム&テンポの軽やかな融合。
これまで彼らのMV登場してきたフレーズ
「La poesie est dans la rue(詩は路上にあり)」
が書かれた看板も登場しています。
THE1975の楽曲とビジュアルの変化
作品とともにビジュアルもガラリと変化させるTHE1975ですが、今作ではその変化が特に顕著、というか過去最大の変化です。
デビュー作『THE1975』では、そのモノクロのアートワーク通り、キービジュアルも白黒で統一されていました。
新人らしからぬ華やかさと太々しさ、めちゃくちゃかっこいいバンドが現れたなと、思ったものです。
YouTube
二作目『君が寝てる姿が好きなんだ。なぜなら君はとても美しいのにそれに全く気がついていないから。』では、一作目のデザインをそのまま受け継ぎつつも、カラーはピンクを基調に。より鮮やかさを増しました。
バンドのビジュアルもそれに伴いさらにグラマラスに、ゴージャスに。
そして今作『ネット上の人間関係についての簡単な調査』
THE1975 Official Twitter
いかにもロックースター然としていた過去二作のビジュアルから大きく変わっています。
とてもラフでこの上なく自然体。柔らかみのある質感は暖かみを感じさせます。
楽曲の変化とビジュアルの変化に一切のズレがなく、そのどれもが間違いなくTHE1975だと思える。
これってじつは非常に難しいことだと思うのですが、そんなことを軽々とやってのけてしまう彼らは本当にすごい。
「僕たちの最初の3枚のアルバムは、1人の人間についてのストーリーなんだ:それはいつだって、ある意味で僕の物語なんだ。思春期から成熟、成功までにわたっていて、最初の2つを介して、3つ目が今いる場所なんだ」
―マシュー・ヒーリー
ukrock/the1975
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