[ネタバレ]『ボヘミアン・ラプソディ』魂に届く今世紀最高の音楽映画 (3度鑑賞した感想)

11/14 追記 (11/11,14 通常シアターで鑑賞、11/13 IMAXシアターで鑑賞)

2回目はIMAXシアターで鑑賞しました。

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やはり通常のスクリーンと比較すると、より映画の世界に入り込めます。ひとつ上の没入感といいますか。

音響や画質については詳しくないので細かいことは分かりませんが、音質は通常に比べると格段に良いです。ハッキリと違います。
体の芯まで届く音。彼らの、クイーンの名曲に体揺さぶられます。

今世紀最高の音楽映画『ボヘミアン・ラプソディ』

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英国での想像を超える宣伝量。

ロンドンはもちろん、他の都市(バーミンガムやハル)どこにいっても『ボヘミアン・ラプソディ』の宣伝ポスターでもって迎えてくました。

2018年10月のイギリスはまさに『ボヘミアン・ラプソディ』一色でした。

「あぁやっぱりイギリス人にとってクイーンは本当に特別なバンドなんだなぁ」ということを、いちいち実感させられました。

同作のイギリス公開日は帰国の翌日(10/24)。絶妙にタイミングが合わず観に行くことが出来ませんでしたが、ようやく日本でも公開されました。
待ちに待ちました。もちろん観に行きました。

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残念ながら日本には、クイーンやフレディ・マーキュリーに対する敬意が感じられない、宣伝としてセンスのかけらもない陳腐でダサい広告が溢れかえっていますが…

作品は素晴らしかったです、本当に。

結論からいってしまうと、この作品は、『ボヘミアン・ラプソディ』は、往年のクイーンファンの方はもちろん、ぼくのようなクイーンビギナーも、そしてクイーンを全く知らないという方にとっても、一つの映画として心揺さぶられる作品です。

フレディ・マーキュリーという伝説的スーパースターを必要以上に美化するようなことも、表面だけを描いた綺麗物語にすることも、反対に、彼がゲイであり、そしてエイズで亡くなったという事実をことさらスキャンダラスに強調し過ぎるようなこともありません。

フレディ・マーキュリーというスーパースターの繊細な心の内側を、ひとりの人間としての弱さを…

世界最高のパフォーマーとして人々を感動させる才能を、世界最高のロックバンドの一員として美しい音楽を創造する才能を…

この映画は余すところなく観せてくれます。

そして、何より演者たちの熱量ある演技に圧倒されます。
一体どれほどの覚悟をもって役を演じたのか、ぼくには想像もつきませんが、その覚悟と想い、情熱は、たしかにスクリーンを超えて伝わりました。

断言出来ます。『ボヘミアン・ラプソディ』は、今世紀最高の音楽映画です。

予想、想像、期待、全てを超えてきた音楽映画として最高峰の映画作品でした。

※これは、クイーンのことはそれほど好きでもないし詳しくもない、フレディ・マーキュリーと同じ時代を生きたこともない、でもロックが大好きな(好きなバンドのライブのために渡英するほど)20代が書いた記事です。

『ボヘミアン・ラプソディ』あらすじ

ロック大国イギリスが世界に誇る伝説のバンド クイーンその誕生の瞬間から、一気にスターダムを駆け上がり栄光を掴み取った全盛期までをテンポよく、クイーンをあまり知らない観客にも飽きさせることなく楽しめるように描かれています。

もちろん、クイーンのファンには堪らない瞬間も多いはずです。

一方、フレディ・マーキュリーのソロ活動によるバンド解散の危機や彼の病に関しては、1人の男の成功と挫折に焦点が当てられていて、とても丁寧に描写されていた印象です。

フレディーの人間的な弱さや繊細さ、スーパースターもただのひとりの人間だという事実をじっくりと描いてくれたからこそ、本編のラスト21分、ロック史に残るあの伝説のステージがより鮮烈に観客の心へと届いたはずです。

「伝説のチャンピオン」「ウィ・ウィル・ロック・ユー」といった数々の名曲で知られるロックバンド、クイーンのボーカル、フレディ・マーキュリーの伝記ドラマ。華々しい軌跡の裏の知られざる真実を映す。『X-MEN』シリーズなどのブライアン・シンガーが監督を務めた。ドラマシリーズ「MR. ROBOT/ミスター・ロボット」などのラミ・マレック、『ジュラシック・パーク』シリーズなどのジョー・マッゼロらが出演。フレディにふんしたラミが熱演を見せる。
1970年のロンドン。ルックスや複雑な出自に劣等感を抱くフレディ・マーキュリー(ラミ・マレック)は、ボーカルが脱退したというブライアン・メイ(グウィリム・リー)とロジャー・テイラー(ベン・ハーディ)のバンドに自分を売り込む。類いまれな歌声に心を奪われた二人は彼をバンドに迎え、さらにジョン・ディーコン(ジョー・マッゼロ)も加わってクイーンとして活動する。やがて「キラー・クイーン」のヒットによってスターダムにのし上がるが、フレディはスキャンダル報道やメンバーとの衝突に苦しむ。

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『ボヘミアン・ラプソディ』キャスト

  • フレディ・マーキュリー /ラミ・マレック
  • メアリー・オースティン/ルーシー・ボイントン
  • ブライアン・メイ/グウィリム・リー
  • ロジャー・テイラー/ベン・ハーディ
  • ジョン・ディーコン/ジョゼフ・マゼロ
  • ジョン・リード/エイダン・ギレン
  • ジム・ビーチ/トム・ホランダー
  • ポール・プレンター/アレン・リーチ
  • レイ・フォスター/マイク・マイヤーズ
  • ジム・ハットン/アーロン・マカスカー

『ボヘミアン・ラプソディ』感想&ネタバレ

「これは、とんでもないものを観てしまった。」

エンドロールが終わりシアターに灯りがともされます。

ぼくは隣にいた親友と顔を合わせて言葉にならない言葉を、声にならない声を交わし合いました。

「これは、とんでもないものを観てしまった。」

興奮した表情とは対照的に、親友の瞳は少し湿っていたようにみえました。

珍しく、1人ではなく“だれか”と一緒に映画を観に行った夜。興奮や感動を誰かと分かち合ったのは随分と久しぶりでした。また少し泣きそうになりました。

映画を超えた映画

『魂に響くラスト21分!』

本国イギリスでも、ここ日本でも、そんな使い古された安っぽい宣伝文句が溢れかえっていました。

「こういうこと言っちゃう映画のラストなんてたかが知れてるんだよなぁ」というのが同作を鑑賞する前までのぼくの考えでした。

すみません、考え改めます。

安っぽい宣伝文句にも納得してしまう。というか、「これ観た人はみんなこの感想になるわな、そりゃ」と思ってしまう、強烈で鮮烈で美しくて強い、ラスト21分。

1985年開催のライブ・エイドでクイーンが見せた圧巻のパフォーマンス。

ロック史に残る伝説のステージです。

クイーンのことはあまり知らなくても、ロック好きとして当然観たことがある、この映像。

本作のラスト21分間。

再現度がヤバいとかとかそういう次元ではなくて、本物のライブ映像とはべつに、ひとつの映像として、後世に語り継がれるべき、奇跡のようなラストシーン、21分です。

時を超え、国を超え、スクリーンを超えて観客の心に届いた。

そして、映画が映画を超えた瞬間です。

「なら、空に穴を開ける」

20世紀最大のチャリティコンサート、ライブエイドへの出演依頼。

成功、栄光、富、名声、挫折、別れ、人生の酸いも甘いも噛み分けた中年の男4人は数年ぶりに同じ部屋へと集まります。

ライブ・エイドの共演者はボブ・ディラン、ミック・ジャガー、ポール・マッカートニー 、ザ・フー、エルトン・ジョン…伝説を生きる怪物たちです。

長らく第一線から離れていた中年の男4人。
本当にこんな怪物たちと同じステージに立って大丈夫なのか…演れるのか…。

スタジオに入って音を合わせるも、やはり全盛期のあの奇跡のような演奏とは程遠い4人。残す時間はあと一週間。焦りや諦め…

誰からともなく、提案される

「とりあえず飲みに行こう」

という、一言。

スタジオを去ろうとする3人に向けて、

「当日までには必ず戻す」

という、フレディの一言。

フレディは続けて、エイズに感染してしまった事実、おそらく自分はもう長くはないという事実をブライアン、ロジャー、ジョンに打ち明けます。

「おいおい、湿っぽくなるな、同情はするな、俺の望みは少しでもなく君たちとともに音楽を作ることだ」

「俺は生まれながらのパフォーマーだ、観客を最高に天国に連れて行く」

「ウェンブリースタジアムの屋根に穴を開ける」

「ウェンブリースタジアムに屋根はないぜ」と、目に涙を浮かべるジョンに突っ込まれるフレディ

「なら、空に穴を開ける」

フレディの魂がこもった言葉、一言一言。

「お前は伝説だ」

という、ロジャーの、観客の気持ちを代弁するセリフが全てです。

存在そのものがフィクションのような、少年漫画の主人公のような、有無を言わさない圧倒的な格好良さ。

魂揺さぶるラスト、21分

ついに迎えるライブ・エイド当日。

ピアノに座り、あの曲を、『ボヘミアン・ラプソディ』を歌いはじめるフレディ。

フレディが発する一音が声が空を裂き、観客の鼓膜へ、そしての鼓膜を揺らします。

その歌声は天へ届くかの如く、たしかにウェンブリーの空に風穴を開けます。

中年男4人なんかではありません。
フレディ・マーキュリー、ブライアン・メイ、ロジャー・テイラー、ジョン・ディーコン、あのクイーンの4人がステージに立っていたのです。

「こいつ…やりやがった…!」

「おいおい…まじかよ、フレディ!」

「お前ってやつは、やっぱすげぇよ!」

言葉は発していなくても、確かにそう言っているメンバーの顔と顔と顔。

こんな演出、シーンに胸が熱くならないはずがありません。

「あぁヤバイなこれ。」
立ち上がって叫びたい気持ちを堪えながら、気持ちだけはスクリーンの向こうのステージの観客とともに。

32年という時を超えて、国を超えて、スクリーンを超えて、僕らの魂を揺らすフレディ・マーキュリーの歌声。

ファルーク・バルサラとフレディ・マーキュリー

華やかな生活の裏に隠された壮絶な孤独、愛することを願い、そして愛されることを誰よりも願ったひとりの男、ファルーク・バルサラ(フレディ・マーキュリーの本名)の物語。

不治の病に侵されてもなお、その圧倒的な歌声とパフォーマンスで人々を楽しませ続けたスーパースター、フレディ・マーキュリーの物語。

『ボヘミアン・ラプソディ』必聴・必見の公式アイテム

Bohemian Rhapsody (The Original Soundtrack)

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『ボヘミアン・ラプソディ』のサントラ盤に収録されている全22曲は、“サウンドトラック”という文字通り、本編でそのまま使用されています。(曲順もほぼ本編の登場順)

収録曲はいずれもクイーンの大ヒット曲、代表曲でもあるので、サントラ盤と言うよりは、そのままクイーンのベスト盤として、ぼくのように映画をきっかけにクイーンにのめり込む人にとってうってつけの、まさに入門盤です。

1曲目を飾る、誰もが耳にしたことのある『20世紀フォックス・ファンファーレ』は、なんと完全新録。

今作のためにギターのブライアン・メイとドラムのロジャー・テイラーによってレコーディングされた、“新曲”です。なんとも心憎い演出。

映画のラスト21分で描かれるライブ・エイドの伝説的パフォーマンス。

ロック史に残る歴史的名演と称されながらも、オーディオ・トラックとして収録されるのは、同サントラ盤がはじめて。

BOHEMIAN RHAPSODY OFFICIAL BOOK 

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今世紀最高の音楽映画『ボヘミアン・ラプソディ』の製作過程と、世界最高のロックバンド『クイーン』の当時の姿を収めた写真がふんだんに掲載されたオフィシャル・ブック。

キャストやスタッフの貴重な裏話なども盛りだくさんなので、この本に目を通してから再度『ボヘミアン・ラプソディ』を鑑賞すると、さらに作品を楽しむことができます。

あとがき

高校の保健体育、エイズについて学ぶ授業がありました。

「エイズのことについて何か知っている人、“何でもいいから知っていること”は発言してください。」
先生からクラスへの問い掛けに、ぼくは珍しく手を挙げて発言しました。

「クイーンのボーカル、フレディ・マーキュリーはエイズで亡くなりました。」

“何でもいいから知っていること”に、ぼくは答えたつもりでした。

「誰だそれは?知らん!」

という、先生からの一言。

ぼくの回答は、すぐに誰かが発言した“何でもいいから知っていること”への正しい回答に、あっという間に埋もれてしまいました。

とても悔しかったあの気持ちを今でも覚えています。

いま、世界中で大絶賛とともに迎えられている『ボヘミアン・ラプソディ』。

同作をきっかけに、フレディ・マーキュリーの半生について知る若者も増えることでしょう。

先生、ぼくは間違ってなかった。