『わたしは、ダニエル・ブレイク』あらすじ・感想・ネタバレ【犬ではない。】 | The Bird's Nest Hair  
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『わたしは、ダニエル・ブレイク』あらすじ・感想・ネタバレ【犬ではない。】

2016年のイギリス映画『わたしは、ダニエル・ブレイク』のあらすじ・ネタバレ・感想をまとめています。

FT

決して他人事ではない厳しい現実、貧困、そしてその中も決して人間としての尊厳を忘れない男、ダニエル・ブレイクの姿に胸が締め付けられます。

『わたしは、ダニエル・ブレイク』スタッフ&キャスト

(C)Sixteen Tyne Limited, Why Not Productions, Wild Bunch, Les Films du Fleuve,British Broadcasting Corporation, France 2 Cinéma and The British Film Institute 2016

『わたしは、ダニエル・ブレイク』スタッフ

『わたしは、ダニエル・ブレイク』スタッフ
監督ケーン・ローチ
製作レベッカ・オブライエン
脚本ポール・ラヴァーティ
撮影ロビー・ライアン
音楽ジョージ・フェントン

監督:ケーン・ローチ

キャリア半世紀以上を誇る、イギリスの名匠ケーン・ローチが監督を務めています。

ローチの作品は、一貫して労働者階級が置かれている現状、日常をひたすらリアリズムに則って描かれます。

俳優の自然な演技を何よりも重要視するローチは、シーンは最初から順番から撮影、俳優の即興演技を多用するという撮影方法で知られています。

撮影:ロビー・ライアン

ケーン・ローチ作品の多くの作品に参加するロビー・ライアが本作でも撮影を務めています。

2018年公開の映画『女王陛下のお気に入り』でも撮影を務め(監督はヨルゴス・ランティモス)、第91回アカデミー賞撮影賞にノミネートされた経験もあります。

『わたしは、ダニエル・ブレイク』キャスト

『わたしは、ダニエル・ブレイク』キャスト
ダニエル・ブレイクデイヴ・ジョーンズ
ケイティ・モーガンヘイリー・スクワイアーズ
ディラン・モーガン
ディラン・マキアナン
デイジー・モーガンブリアナ・シャン

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『わたしは、ダニエル・ブレイク』あらすじ

(C)Sixteen Tyne Limited, Why Not Productions, Wild Bunch, Les Films du Fleuve,British Broadcasting Corporation, France 2 Cinéma and The British Film Institute 2016

イギリス北東部に位置するニューカッスル・アポン・タインの街で、大工として働くダニエル・ブレイク。

妻に先立たれてしまった孤独、決して裕福とは言えない暮らし、しかし、ダニエルは、人間としての尊厳だけは持ち続けて生きていた。

しかし、そんな彼を悲劇が襲う。心臓に病を患ったダニエルは休職を余儀なくされてしまうのだ。

ダニエルは国からの援助を受けるために、役所に行くが、手続きはまるで、糞をリボンで飾りつけしたような不必要極まりない煩雑なものだったため、結局、適切な援助を受けることはできなかった。

(自分と同じ境遇の)シングルマザー、ケイティーと二人の子どもとの出会いが、ダニエルを孤独から救い出す。

しかし、金銭的な援助はいつまで経っても得られないままでいる…。

『わたしは、ダニエル・ブレイク』ネタバレ

ダニエル・ブレイクは、亡くなってしまいます。

ひとりの善良な市民を殺したのは一体だれなのか?

心臓を蝕む病?貧しさ?

たしかにそうかもしれませんが、本質ではありません。

彼の命を奪ったもの、それは、

国です。制度です。

以下は、ダニエル・ブレイクが遺した言葉です。

私は、依頼人でも、顧客でもユーザーでもない

怠け者でも、たかり屋でも。物乞いでも泥棒でもない

国民保険番号ではなく、エラー音でもない

きちんと税金を払ってきた、それを誇りに思っている

地位の高い者には媚びないが、隣人には手を貸す

施し入らない

人間だ、犬ではない

当たり前の権利を主張する

私は、ダニエル・ブレイク


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『わたしは、ダニエル・ブレイク』感想

(C)Sixteen Tyne Limited, Why Not Productions, Wild Bunch, Les Films du Fleuve,British Broadcasting Corporation, France 2 Cinéma and The British Film Institute 2016

『わたしは、ダニエル・ブレイク』には、過激な描写や、センセーショナルな展開は一切ありません。

劇中で流れる音楽も、ほとんどありません。

これは、そのまま、ダニエルやケイティーたちの生活を表しています。

音楽が流れないのは、彼らの暮らしには音楽が無いから。音楽は嗜好品だから。

映画のようなドラマチックな出来事が人生に起こることは、ほとんどない。

ただ淡々と、ダニエルたちの生活を積み上げていくような物語。

それは、どこまでもリアルで、どこまでも身近。

FT

だからこそ、この映画に胸を締め付けられるし、他人事として眺めることはできません。

イギリス人のイメージ

舞台になったニューカッスル・アポン・タインには行ったことはありませんが、近郊のキングストン・アポン・ハルには行ったことがあります。日本でいうところの、北陸地方のようなイメージでしょうか。北海に面しているせいか、とても寒かった記憶があります。

寒さは厳しい土地でしたが、そこに暮らす人々の心には、たしかに温かな光を感じました。

よく「イギリス人は意地悪だ」とイメージされがちですが、僕はそう感じたことは一度もありません。

イギリス人について多く語られる、「シャイで皮肉屋」な面はたしかに否めませんが、困っている人がいれば、手を貸す。そういう人たちだと思います。

それは、ダニエル・ブレイクの遺書にも表れていて、

「地位の高い者には媚びないが、隣人には手を貸す」

これが、多くのイギリス人(労働者階級)の思想だと感じます。

イギリスの階級社会

イギリスには階級というものが存在します。

何世紀の話だと思う方もいるかもしれませんが、21世紀の現在の話です。

イギリスに1ヵ月も滞在していれば、階級の存在を知ることができます。

階級社会の存在を最も分かりやすい形で説明するなら、イギリス発の世界的文学作品『ハリーポッター』でしょう。

  • 上流階級:マルフォイ・ウィーズリー一家(由緒正しい家柄、純血)
  • 中流階級:ハーマイオニー(両親が歯医者)
  • 下流(労働者階級):ハグリッド、管理人フィルチ(半人前の魔法使い、小汚い身なり、知識に乏しい描写が多数)

誰もが知る『ハリーポッター』にも、イギリスの階級社会が明確に描かれているのです。

そして、主人公のハリーはというと、これまでのどの階級には当てはまらない、新しい時代の象徴です。

階級の壁を自由に飛び越えることができる魔法使いの少年の存在は、だから、多くのイギリス人に支持されました。

本作『わたしは、ダニエル・ブレイク』では、イギリスの労働者階級の人々が直面する貧困が明確に描かれています。それは直視できないほど残酷で、途中、何度も停止ボタンを押そうとしました。

心臓発作で働けない身体でありながら、手当てを支給されないダニエル・ブレイク。

「手当てがほしいなら、あれをやれ、これをやれ、そして、その証拠を出せ」国からの一方的な支持命令。

一市民として税金を納め続け、国を支えてきた男に対する、これがその仕打ちか?恩を仇で返すとは、まさにこのことじゃないか、そう思わずにはいられません。

ケイティー・モーガンは、子ども二人を連れてロンドンからニューカッスルへとやってきたシングルマザーです。

国から支給されたアパートは、どこもかしこもボロボロで、とてもじゃないけど修繕なしには住めない有様。たまたま、大工のダニエルと知り合いになって修繕を手伝ってもらったからよかったものの、彼に出会っていなかったら、どうなっていたことか…。家の修繕には当然、お金がかかる。

子どもを食べさせるために、自分は毎日果物だけしか口にしない彼女には、とても無理なことです。

初めての土地、子ども二人、援助申請の時間に遅れてしまったケイティーに、役所は一切の酌量の余地を与えません。

「あなたは遅れた。だから手続きは出来ない。規則で決まっているから。」

確かに規則は守るべきものです。でも、その規則は?一体だれを、守るためのものでしょうか?

規則は、弱者を守るために存在するもののはずです。

抜け出したくても抜け出せない現実、もがけばもがくほど、底なし沼のように引きずり込まれてしまう貧しさ。

「ワーキングクラス(労働者階級)を抜け出すには、ロックスターか、スポーツ選手になるしか、道はない」

欧米諸国でよく言われる言葉です。

もちろん、一芸に秀でたそんな人たちばかりで、世の中は構成されてはいません。

持たざる者はどうすればいいのか?

適切な援助も受けることすらできないのでしょうか?

他人事ではない現実

多くの日本人が、本作を他人事として観ることはできません。

『わたしは、ダニエル・ブレイク』で描かれているイギリスの現実は、ユーラシア大陸を跨いだ世界の反対側の出来事ではなくて、今の、そして、これからの日本の姿です。僕たち日本人の姿です。

制度の不正受給が騒がれる現代、本当に助けを求めている人たちの声を、国はないがしろにしてしまってはいないか、

自分自身、困っている人に、最後に手を差し伸べたのはいつだっけ、自分以外の誰かがきっと助けてくれる、そうやって見過ごしてしまったあの人は、大丈夫だっただろうか…

あとがき

(C)Sixteen Tyne Limited, Why Not Productions, Wild Bunch, Les Films du Fleuve,British Broadcasting Corporation, France 2 Cinéma and The British Film Institute 2016

今、日本全体がどんどん貧しくなっています。

経済や財政、個人の経済的金銭面もそうでしょうが、何よりも、心が貧しくなっているように感じます。

映画のラストでダニエル・ブレイクは言います(遺書の中で)

「わたしは、ダニエル・ブレイク。犬ではない。」

人間、尊厳を失って、心まで貧しくなってしまってはお終いです。

僕らはまだ、最終回には早すぎます。


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