『フォードvsフェラーリ』感想・あらすじ【夢を追い求める男たちのロマンの物語】 | The Bird's Nest Hair  
【2020/03/04】New Article Update!

『フォードvsフェラーリ』感想・あらすじ【夢を追い求める男たちのロマンの物語】

マット・デイモンとクリスチャン・ベールのWアカデミー賞の共演でも大きな注目を集める『フォードvsフェラーリ』を観ました。

パラサイト 半地下の家族』に続き、1月にして早くも年間ベスト級の大傑作に出会ってしまいました。

第92回アカデミー賞の「作品賞」を筆頭に、「音響編集賞」「録音賞」「編集賞」の4部門にノミネートされたこともうなずける素晴らしい作品です。

Milk

『フォードvsフェラーリ』は、(僕のように)車の興味も知識も全くない人間が観ても、エンジン全開フルスロットルで楽しめる実録エンターテインメント作品です。

『フォードvsフェラーリ』の評価

(C)2019 Twentieth Century Fox Film Corporation

『フォードvsフェラーリ』のレビュー
演出
(4.0)
音楽
(5.0)
ストーリー
(4.0)
キャスト
(5.0)
リピート
(5.0)
総合評価
(4.5)

実話を基にしたカー・ムービーですが、本作を楽しむために「車が好きかどうか」は、全く重要ではありません。

もし、車に興味がないことを理由に鑑賞を迷っているのであれば、それは、素晴らしい映画体験のチャンスを逃してしまっているといえます。

本作は批評家から絶賛されていますが、クリスチャン・ベールの演技が素晴らしいです。

「過去最高のクリスチャン・ベール」と、言っても過言ではありません。

『フォードvsフェラーリ』スタッフ&キャスト

(C)2019 Twentieth Century Fox Film Corporation

スタッフ

『フォードvsフェラーリ』スタッフ
監督ジェームズ・マンゴールド
脚本ジェズ・バターワース
製作総指揮マイケル・マン
撮影フェドン・パパマイケル
音楽マルコ・ベルトラミ

本作に関する企画はこれまでにも幾度なく立ち上がっていて、2011年にはマイケル・マン監督が製作に着手したと報じられ、2013年には降板したマン監督に代わってジョセフ・コシンスキー監督を務めることに。

また、当時、キャロル・シェルビーをトム・クルーズが、ケン・マイルズはブラット・ピットが演じるとされていました。

2018年の企画再始動のタイミングで、ジェームズ・マンゴールドが監督に、マット・デイモンとクリスチャン・ベールが、それぞれがキャロル・シェルビーとケン・マイルズを演じるという現在の布陣になりました。

『フォードvsフェラーリ』キャスト

『フォードvsフェラーリ』キャスト
キャロル・シェルビーマット・デイモン
ケン・マイルズクリスチャン・ベール
リー・アイアコッカジョン・バーンサル
モリー・マイルズカトリーナ・バルフ
ヘンリー・フォード2世トレイシー・レッツ
レオ・ビーブジョシュ・ルーカス

安心・安定のマット・デイモン。この人が出演している映画にハズレなし。

本作でもさすがの存在感と説得力で、実在した伝説のカーデザイナ、キャロル・シェルビーを見事に演じ切っています。

クリスチャン・ベール

ハリウッドきっての演技派として知られるクリスチャン・ベール。

彼の出演作はほぼ全て観ていますが、演技派クリスチャン・ベールの、キャリア最高の演技を本作では存分に堪能できます。

はみ出し者で不器用で、誰よりも純粋に車を愛した孤高のレーサー、ケン・マイルズは、間違いなくハマり役。

「ベスト・オブ・クリスチャン・ベール」です。

『フォードvsフェラーリ』あらすじ

(C)2019 Twentieth Century Fox Film Corporation

アメリカ人として、史上初ル・マンを完全制覇した伝説のレーサー、キャロル・シェルビー。

しかし、彼は心臓の病によって選手生命を絶たれてしまう。

引退後に立ち上げた自身の会社でカーデザイナーとしても成功を収めたシェルビー。だが、彼の心には今もレースへの想いが燻っていた。

そんなシェルビーのもとに、自動車メーカー、フォード・モーター社から依頼が訪れる。

「ル・マンで、絶対王者フェラーリに勝ってほしい」

打倒絶対王者に必要なものは、速い車と速い運転手。

シェルビーは、フェラーリを超える最速の車の開発と、優秀なドライバーの確保に乗り出す。

破天荒なイギリス人レーサー、ケン・マイルズ。フェラーリに勝つためには、彼が必要だ。

フォード上層部からの厳しい反発に受けながらも、自社を賭けた大勝負により、マイルズをチームに引き入れることに成功したシェルビー。

VS絶対王者への布陣がは整った。

『フォードvsフェラーリ』感想

(C)2019 Twentieth Century Fox Film Corporation

①:夢を追う男たちの格好良さ(と哀愁)

車好きの少年がそのまま図体だけデカくなったような中年男たちが、心を高速回転させ、意地と情熱で勝利に向かって最短最速で突っ走る姿に、興奮せずにはいられません。「いけっ…」と、つぶやかずにはいられません。

こちらが(観客が)、車が好きかどうかは関係ありません。車じゃなくてもいいです。何か一つでも好きなものがある方には、とことんぶっ刺さる男のロマンの物語、それが『フォードvsフェラーリ』です。

不可能に立ち向かう誇り高き挑戦者、巻き起こすジャイアントキリング。

常軌を逸した情熱と誇りと意地で夢を追う男たちの姿が、とにかく最高に格好良いです。

特に、孤高の天才レーサー、ケン・マイルズ。

決して妥協を許さない超一流のレーサーだからこそ、周りとは折り合いがつかず、いつも孤独でいた男。

しかし、彼の(自分の命すら顧みない)勝利への執念は、次第に多くの人の心を惹きつけ、いつしか彼の周りには大勢の仲間の姿が…。

大人の哀愁をも詰め込む抜け目のなさが、とにかくニクい。

②:劇伴の格好良さ

劇中で流れる音楽がとにかく格好良い。いちいち格好良い。音楽好きこそ観るべき映画です。

Ford v Ferrari (Original Motion Picture Soundtrack)

  1. Polk Salad Annie – Performed by James Burton
  2.  Money (That’s What I Want) – Performed by The Kingsmen
  3. Have Love Will Travel – Performed by The Sonics
  4.  I Put a Spell on You – Performed by Nina Simone
  5.  Pour Une Fille Comme Toi – Performed by Lucky Blondo
  6.  Love’s Gonna Live Here – Performed by Buck Owens
  7.  Stranger in a Strange Land – Performed by The Byrds
  8.  Le Mans 66 – Performed by Marco Beltrami and Buck Sanders
  9.  Team Player – Performed by Marco Beltrami and Buck Sanders
  10.  Crescent Wrench – Performed by Marco Beltrami and Buck Sanders
  11.  Ace of Spades – Performed by Link Wray
  12.  Dark Side – Performed by The Shadows of Knight
  13.  Hipsville 29 B.C. (I Need Help) – Performed by The Sparkles
  14.  Flying Saucers Rock N Roll – Performed by Billy Riley and His Little Green Men
  15.  Shooting Star – Performed by Les Baxter

映画の舞台でもある1960年代の名曲がずらり。

60年代ガレージロック好きとしては、The SonicsやThe Kingsmenが流れた瞬間はもう、ブチ上がりましたね。

ゾクゾクとした興奮が電流のように中枢神経を駆け巡って、血は沸騰寸前にまで煮えたぎった気分でした。

エンジンの爆音とロックの爆音は似ている。どちらも、人間を極限に興奮させるものだと知りました。

③:妻モリーの格好良さ

格好良いのは男たちだけではありません。

命懸けで戦う夫を後押しする妻のもまた、最高に格好良かったです。

男が夢を追う物語に登場する女性キャラって、大きく2パターンに分かれると思います。

  1. 男の無謀な夢に理解を示さず邪魔をする、現実主義的な女性
  2. 男のよき理解者であり、ときに男よりも男らしく男の夢を応援する女性

ケン・マイルズの妻モリーは、完全に後者の女性で、夫の嘘も見栄も全てお見通し。

一度は家族のために夢を諦めたケンを、(文字通り命懸けで)説得して、夢へと続く道に再び彼を送りだす。

夫を支え、誰よりも夫の夢を願っている。とても格好良い、意志の強い女性として描かれていてよかったです。

あとがき

(C)2019 Twentieth Century Fox Film Corporation

第92回アカデミー賞にも、見事に4つの部門でノミネートされた『フォードvsフェラーリ』。

最速を目指す男たちの戦いが、世界中の人々を魅了しています。

Milk

あなたも、その目で、その耳で、体感してください。魂の鼓動を。