『ドクター・スリープ』ネタバレ・感想・鑑賞前の必須知識7つ【まさしく正統続編】 | The Bird's Nest Hair  
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『ドクター・スリープ』ネタバレ・感想・鑑賞前の必須知識7つ【まさしく正統続編】

11月29日公開の映画『ドクター・スリープ』(監督マイク・フラナガン、原作スティーヴン・キング、主演ユアン・マクレガー)を、劇場で鑑賞しました。

FT

全ての映画ファンが大満足できる傑作の続編映画でした。

スタンリー・キューブリッックとスティーヴン・キングの、あの得体の知れない雰囲気と雰囲気を融合させ、誰がみても分かりやすい作品に昇華した、名作への間口を広げた、非常に意義のある作品です。

本記事では、『ドクター・スリープ』の「スタッフ&キャスト情報」「ドクター・スリープ』がさらに面白くなる7つの事前知識」そして、「あらすじ」「ネタバレ」「感想」をまとめています。

前作『シャイニング』の記事はコチラ
『シャイニング』あらすじ・キャスト・原作との相違点【ホラー映画の金字塔】

『ドクター・スリープ』スタッフ&キャスト

(C)2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

『ドクター・スリープ』スタッフ

『ドクター・スリープ』スタッフ
監督マイク・フラナガン
原作スティーヴン・キング
脚本マイク・フラナガン
撮影マイケル・フィモナリ
音楽ザ・ニュートン・ブラザーズ

監督:マイク・フラナガン

ホラー映画の監督を多く手掛けてきたアメリカ出身の若き映画監督、マイク・フラナガン。

監督のみならず、脚本・編集・撮影、すべての工程を自身で手掛けるマルチな才能をもつ。

本作『ドクター・スリープ』でも、監督・脚本・編集を兼任している。

原作:スティーヴン・キング

シリーズ作品以外では続編を書かないことで知られているスティーヴン・キングが、唯一創作した続編、それが本作の原作、『ドクター・スリープ』。

原作者スティーヴン・キングにとっても、非常に思い入れ深い作品であることは間違いない。

『ドクター・スリープ』キャスト

『ドクター・スリープ』キャスト
ダニー・トランスユアン・マクレガー
ローズ・ザ・ハットレベッカ・ファーガソン
アブラ・ストーンカイリー・カラン
ビリー・フリーマンクリフ・カーティス
ディック・ハロランカール・ランブリー
ウェンディ・トランスアレックス・エッソ―
ジョン・トランスヘンリー・トーマス

ユアン・マクレガー

『シャイニング』から40年後のダニーを演じるのは、イギリスが誇る名俳優ユアン・マクレガー。

「スターウォーズ」新三部作のオビ=ワン・ケノービ役で広く知られているマクレガーだが、個人的にはダニー・ボイル監督作『トレインスポッティング』を是非、観てほしい。若き日のユアン・マクレガーがとにかく格好良い、それだけの映画だ。

ところで、本作『ドクター・スリープ』に関するインタビューで、マクレガーはこう答えている。

「『ドクター・スリープ』の原作は『シャイニング』の原作を読んでいなくても楽しめる。同様にこの映画も単体で楽しめる。でも、前作を知っていると、より楽しめる。」

『ドクター・スリープ』鑑賞前に知っておくべき7つのコト

(C)2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

①:スティーヴン・キング原作

本作『ドクター・スリープ』はスティーヴン・キングの原作を基にして製作されている。

スティーヴン・キングと言えば前作の『シャイニング』はもちろん、『IT』や『キャリー』『ショーシャンクの空に』『グリーンマイル』『スタンド・バイ・ミー』など映画史に残る名作、その原作を多数執筆。

そんなキングが唯一、シリーズ作以外で続編を手掛けたのが、この『ドクター・スリープ』。

②:「シャイニング」と呼ばれる特別な力

本作のキーワード、「シャイニング」。

ダニーたち一部の人間にのみ扱える特別な力。超能力。

大人になるにつれて、その能力は弱まるとされている。

「未来予知」「テレパシー」「千里眼」「重力無効化」「洗脳」など、様々な能力が存在する。

③:40年後

前作『シャイニング』から40年後、つまり、現代が本作の舞台。

父に殺されかけたトラウマや「シャイニング」の能力を抱えて生きるダニーは、酒やドラッグに溺れる自堕落な日常を送っている。

④:ダニー・トランス

「シャイニング」を隠して生きるダニーだったが、全米で起こる「児童失踪事件」、少女アブラとの出会い、そして師ディック・ハロランの言葉によって、もう一度、「過去」と向き合う決心をする。

⑤:ジャック・トランス

ダニーの実の父親。アルコール依存症を患っていた。

40年前のオーバールックホテルで精神を病み狂人と化した。

妻と息子(ダニーを)殺そうとするが失敗に終わり、自身は命を落とす。

ホテルの怨霊に取り込まれ、今もこの世をさまよっている。

⑥:ディック・ハロラン

ダニーの師であり、今は亡き故人。

40年前、オーバールックホテルで、ダニーの父ジャックに惨殺されたが魂だけがこの世に残った。

以降は、「シャイニング」の正しい使い方、知識を教えるドク(先生)として、度々ダニーの前に現れる。

⑦:オーバールックホテル(呪われたホテル)

コロラド州の山間に建つ荘厳なホテル。

40年前の惨劇、トランス一家の惨劇後は閉鎖となり、今では廃墟と化している。

かつて、このホテルでダニーは、「父親に殺されかける」という壮絶な過去を体験している。

ホテルのは、「この世のものではない邪悪な怨霊」が住み着き、腹を空かせて、生者の「シャイニング」を待っている。

さらに詳しく知りたい方はコチラ
『シャイニング』あらすじ・キャスト・原作との相違点【ホラー映画の金字塔】

『ドクター・スリープ』あらすじ

(C)2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

2011年。

酒と薬に溺れる一人の中年男の姿があった。

彼の名は、ダニー・トランス。

幼いころ、「斧を持った父親に殺されかけた」という壮絶なトラウマを持つ彼は、誰も信じず、自分自身すらも信じずに生きていた。

彼は再起を図るため、誰ひとり彼を知ることがない街へと引っ越した。

彼は、「シャイニング(超能力)」を使うことを恐れていた。

2019年。

新天地を求めてこの地にやってきたダニーは、見違えるようだった。

仕事を続け、酒を断ち、彼は立派な人間になっていた。

彼は、父親とは違った。

時を同じくして、「児童行方不明事件」が全米の各地で相次ぐ。

その裏には、闇の集団「真の絆(トゥルーノット)」の存在があった。

ダニーと同じく「シャイニング」をもつ彼らは、生きた人間(子ども)の「生気」を欲していた。

ある一人の少女とのコンタクトにより、「真の絆(トゥルーノット)」の存在を知ったダニー。

長く封印していた「シャイニング」を使うときが、遂に訪れた。訪れてしまった。

ダニーは、全てを終わらせるため、“あの”ホテルの前へと立つ。

40年前の、あのホテルの前に…。

扉を開けたダニーを待つ「恐怖」とは…

『ドクター・スリープ』ネタバレ

(C)2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

①:ラストシーン(オチ)

悪の集団「真の絆(トゥルーノット)」の首領(ボス)、ローズ・ザ・ハットとの一騎打ちのため、オーバールックホテルにやってきたダニーとアブラ。

呪われたホテルの住人(怨霊)は、強力な「シャイニング」をもつ人間を喰らうことで空腹を満たす。ローズの息の根を完全に止めるため、ダニーは再びホテルへと戻ってきた。

自分の中に封印した忌々しい怨霊を解き放ち、ローズを捕食させることで、ダニーとアブラは闘いに勝利。

しかし、このままホテルを去っても、怨霊はこの世に残り続ける。いずれ、誰かが苦しむことになる。

ダニーは、アブラだけを逃がしてひとりホテルに残る。

ホテルの心臓ともいえるボイラー室をオーバーヒートさせて、ダニーはホテル全体に火をつける。

ホテルは全焼、跡形もなく消失する。

ダニーは自分の命と引き換えに、忌々しい怨霊をすべて、この世から消し去った。

②:ダニーとアブラのその後

肉体はこの世から消え、生物的には死んでしまったダニー。

しかし、彼の魂は生き続けている。

特別な力「シャイニング」を持つ者にのみ認識できる存在、つまり幽霊となって彼は地上に残った。

かつて、ハロラン(『シャイニング』でダニーの父親、ジャックに惨殺された男性)が自分にしてくれたように、アブラの師になることを決意したダニー。


たしかに、ダニーは死んでしまいましたが、彼は幽霊となってアブラを見守ると決めました。

映画としてはハッピーエンドですし、後味の悪いラストではないので安心して鑑賞できます。

『ドクター・スリープ』感想

(C)2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

『ドクター・スリープ』は、まさしく『シャイニング』の正統続編でした。

『シャイニング』ファンも、まだ『シャイニング』を観ていない映画ファンも、誰ひとり置いてけぼりにしない、優しい続編でした。

超能力バトル・ファンタジーとしての前半

前半は、数百年の長きに渡って暗躍する悪の集団「真の絆(トゥルーノット)」と、その集団の存在に気づいてしまった義勇の意志をもつ少女アブラ(+ダニー)の超能力バトル。

「え、シャイニングってそんな使い道もあったの?」と、教えてくれつつ、前作の『シャイニング』を未視聴の方でも楽しめる娯楽作品として仕上がっています。

ファン大歓喜、正統続編としての後半

そして、後半。

“あの”音楽、“あの”吹雪とともに、僕ら『シャイニング』ファンが待ち望んだ「オーバルックホテル」の姿が、スクリーンに映し出されます。

その姿には、威厳すら漂っています。

「アイムホーム(ただいま)」と、言ってしまいたくなる懐かしさ。

間違いなく、あの「オーバールックホテル」です。

前半は「超能力バトルのスーパーヒーロー映画」として面白く鑑賞していましたが、やはり『シャイニング』ファンが待ち望んでいるのは、あの忌々しい呪われたホテルの存在です。

忌々しい呪われたホテルを待ち望んでいるなんておかしな話ですが、本当のことだから仕方がありません。

「オーバールックホテル」がひとたび映し出されてからは、40年越しの宴の始まりです。

『シャイニング』ファンが続編に対して求めること、その全てを観ることができます。

「扉の裂け目から中を覗き込むダニー」

「口紅で書かれたREDRAMの文字」

「血のエレベーター」

「237号室」

「双子」

「迷路」

全ての出来事、シーン、登場人物(怨霊)に大歓喜。いちいち大喜び。

ホラー映画でこれほど「満面の笑み」になったのは、生まれて初めての経験です。

父と子の再会

本作『ドクター・スリープ』の中でも一番の名シーン、それは、「バーカウンター越し父と子の再会(40年越しの)」。

バーカウンターは、もちろん『シャイニング』に登場する、あのカウンターです。

(ホテルに取り込まれ)バーテンダーとして酒を注ぐ父親、ジャック・トランス。

父親に最後の別れを告げに来た息子、ダニー・トランス。

バーカウンターという境界線を隔てて向い合う父と子の再会は、決して感動の再会とはいきません。

「結局、お前ら(妻と息子)は邪魔な存在でしかなかった」と告げる父と、「俺はお前とは違う」と、決して酒を口にしない息子。

遂にトラウマを乗り越え、過去との決別を果たしたダニー。

彼は席を立ち、人生最大の大一番へと向かいます。

あとがき

FT

本作『ドクター・スリープ』は、まぎれもなく『シャイニング』の正統続編であり、そして、2010年代的なスーパーヒーロー映画でもあります。

続編として文句なしの面白さでした。

『シャイニング』ファンは、ラスト30分に歓喜すること間違いなしです。

あと、どうでもいいけど、ユアン・マクレガーほどトイレが似合う俳優は他にいないと思います。