the dresscodes “meme”TOURをみて【ライブレポ(というよりただの個人の記憶の記録)】

ありがとう、名古屋。

A post shared by @ft_codes on

2017年4月1日。

名古屋から大阪に向かう電車の中でこの文章を書いています。のどかな田園風景の中を電車はクンクン進んでゆきます。
この電車道には思い入れがあるので、なんだかとてもノスタルジックです。ふぅ。

通路を挟んで横に座っているカップルがさっきからチュッチュッと愛を育んでいます。ぼくは1人でビールを飲んでいます。手羽先もあります。

横に座っているカップルは俄然調子が出てきたようです。

おっと、羨ましくなんかないぜ。

だって今日ぼくは凄いもんをみてきたんだから。

the dresscodes “meme”TOUR
名古屋&大阪公演をみて

そう、2017年4月1日。

ドレスコーズ meme TOUR 名古屋公演をみてきました。

整理番号はなんと5番。自分史上最高の番号でした。

最前列から見る志磨さんはそりゃもうこの世のもんじゃないように美しかったです。まったく最高だったな…。

でも素晴らしいライブや凄いライブほど記憶がほとんど残らないのは何故でしょうか?もう記憶が曖昧です。明日は大阪公演です。

忘れないうちにこの想いを書き留めておこうと思います。そしてこの記事をアップするのは、もちろん4月9日のツアーファイナルが終わってからです。

そもそも今回のツアー、志磨さん本人からとくに箝口令が敷かれているわけではないのに、SNS等でもほとんど情報が漏れていないのは、ちょっとまぁ、異常ですよね。

志磨遼平はどれだけファンに愛されてんだっていう。

それもこれも、志磨さん本人がぼくたちファンのことを大事にしてくれているということが、こちら側にもきちんと伝わっているからなんでしょうね。
一ファンとして誇りに思います。

さて、ライブレポですが、レポというよりもただの個人の記憶の記録です。感情のダダ漏れです。

駄文失礼します。

無敵のファンクギャングたち

f941b2aefe70a9f375f7d1e9c6daec03

有島コレスケ(Gt)

もはやお馴染み、コレぴょんこと有島コレスケ。
今回はギターでの参加です。(ドレスコーズのサポートメンバーとしてはベースであることが常)

にしてもこれピョン凄すぎますね…。
12月24日のドレスコーズではじめてコレぴょんのギタープレイを見ましたが、あの頃より数段凄みを増したジャッキジャキでカミソリみたいに切れ味鋭いギターを響かせていました。すげー。

山中治雄(Ba)

元チョモランマトマトのメンバーにして、ドレスコーズのオリジナルメンバー、山中治雄。

今回のツアーで山中治雄の起用に関しては、正直すでに予想していたのでまったく驚きはなかったのに…高い位置で構えたベース、すらりと長い足、うざったそうな長髪、志磨遼平の横に並んでベースを弾く彼の姿を見ると胸に迫るものがありました。

後述していますが、ハルオのベースでオートマチックパンクだなんて、まったく志磨遼平という男は憎たらしいにもほどがありますね。

ビートさとし(Dr)

そしてドラム!ビートサトシさん!
失礼ながらまったく存じ上げておりませんでしたが、えっと、かれは日本人ですか?リズム感とか諸々日本人離れしているような…。
とにかく凄すぎました。間違いなく今ツアーの立役者です。

堀嵜ヒロキ(Pe)

凄すぎるビートさとしのドラムを完全に食う勢いのパーカッション!今回のツアーでは必要不可欠だったパーカッションなわけですが、完全に主役級の存在感に、度々視線を釘付けにされました。
終始、音楽を楽しんでらっしゃるのが滲み出てているのが本当によかった。

memeTOUR セットリスト

91594b491a06860eca08e343aa634778

1.common式

最初はやはりこの曲、コモン式。12月24日のドレスコーズで聴いたものとはもはや全くの別物。研ぎ澄まされ、さらに鋭く、より強靭になったビートがぼくらを躍らせます。

会場は一曲目にして一気に沸点へ。これ、志磨さんの手口です。基本的に一曲目ですでに会場を掌握しますよね、彼は。一曲目からしてすでにやられてしまう。

2.平凡アンチ

すかさず鳴らされる平凡アンチ!

壊れた操り人形のように踊り狂う志磨遼平。グルーヴがハンパないです。コールアンドレスポンスも完璧。

3.マイノリティーの神様

ここでアルバムの3曲目 マイノリティの神様。

ここまでアルバムの曲人通り。アルバムの冒頭3連打です、これはもう踊らないほうがおかしい。生で聴くこの曲は本当にかっこいですね。とくにイントロの爆発的な格好良さがたまらない。

4.towaie

続く4曲目は、アルバムの5曲目のトワイエ。
志磨さんのフロントマン、ボーカリストしての表現力を見せつけるかのようなナンバー。さっきまで踊り狂っていた僕たちは、ただただ彼の歌声に耳を傾け、彼の一挙手一投足に見入ることしかできません。

5.メロディ

目の前に座り込む志磨さん。
最初は何が起きたか分かりませんでしたが、おいおいこれはどうやらヒッピーズE.P.のメロディだな。と、思考が10秒くらい遅れてやって来ました。
正直ぼくはこのアルバムをほとんど聴けていないので(おそらくメロディも3.4回しか聴けないない)のでここはノーコメントです。
しかし、コレぴょんは本当にいい仕事をするなあ。

6.ストレンジャー

人民ダンスを抜かしてメロディを挟んだのみ、ほぼアルバムの曲順通りにライブは進みます。

出だしのカッコよさと本体のメロウなギャップがより強調されてグッときました。
何より、志磨さんとコレぴょんのWステップが素晴らしかった。

7.規律/訓練

志磨&有島の可愛らしいステップにうっとりしているところに、すかさず畳み掛けてくる高速アフロビートナンバー。油断も隙もあったもんじゃない。
「燃やせそれをー!」なんてコールアンドレスポンスはたぶんドレスコーズだけです。

8.Automatic Punk

そしてここでさらに爆弾投下してきました、我らがドレスコーズギャング。
オートマチックパンクです。ハルオです。これは山中治雄が弾かなきゃダメなんです、やっぱり。
このグルーヴ、オラオラ感。最高です。長髪を揺らしながら弾き狂うかれの姿、最高です。

オートマチックパンク、この曲をはじめて聴いたのは2012年の京都ボロフェスだった。度肝抜かれたな。狂ってた。
あのときは、志磨さんも長髪で一心不乱にマラカス振ってたな。そんでマルが入るとこ間違えてたな。そういえばあのときも最前列だったな。

なんてことを思いながら見てたらダメです。
ほら、目から汗が…。

ずるい男だ志磨遼平は。

9.ヒッピーズ

おっと、ここで再び予想だにしなかったことが、ヒッピーズです。まさかの。

オートマチックパンクからのヒッピーズです。山中治雄祭りです。初期ファンを完全に殺しにかかってますね。
9月24日、ドレスコーズ事実上の解散から止まってしまっていた時計の針が再び動き始めるのを、たしかに感じました。

10.エゴサーチ&デストロイ

名曲しかない平凡でも1、2を争うキラーチューン。
フラゲ日前夜、この曲がYouTubeにアップされ、どれどれ早速聴いてやろうと軽い気持ちで再生ボタンを押してイヤフォンから流れ出てきたこの曲の衝撃度は忘れれません。

あの衝撃を超えた衝撃が目の前で鳴り響いていました。

11.人間ビデオ

志磨遼平が赤いメガホンを持った!ということは、来ました!人間ビデオ。

やはりシングル曲はフロア側の盛り上がり度が違う気がします。ドレスコーズの新たなアンセムですね。

12.ゴッホ

鳴り響くパーカッションとドラム。次は何が始まるんだ…もう何が来ても驚かねぇぜ、と、そんな高を括るぼくらに投下されたのは名曲ゴッホ。

こんなバージョンのゴッホもあるんかい!油断してました。ちくしょう、驚いてしまいました。ちくしょう。

やっぱりこの曲は、いつ、どんな風に聴いても最高です。

13.アートvsデザイン

本編最終曲。早いもんで、もうラストです。

平凡で最も好きな曲。
いつの間にかジャケットは脱ぎさられ、大量の汗で、もはや濡れているところの方が少ないシャツと、片方の靴紐がほどけたままの銀色のレペットで歌い上げる志磨遼平。

かれのこの姿に涙しない奴なんかいるのか。

En.1.人民ダンス

ここで来たか、人民ダンス!

最後の最後まで僕らを躍らせてくれる。志磨さんも最後の力を全て出し切るかのように笛を鳴らし続けて踊り狂います。

En.2.20世紀(さよならフリーダム)

そして最後はやはりこの曲。

インタビューで志磨さんは、「この曲は平凡の中で唯一今までの自分と同じように作詞作曲をした」という趣旨の発言をしていました。

この曲を歌っているのは、平凡さんではなく、いつもの志磨遼平だったように見えました。

「あぁ、いつもの志磨さんだ」そう思いました。

最後、嬉しさを隠せずに一瞬だけ満面の笑みを浮かべていたかれを、ぼくはたしかに見ました。

コンセプトアルバムを完全再現したコンセプトツアー

41458ee1127e652e88f917000e9fe25b-1

MCも一切なくノンストップの1時間半。
最後の一滴まで燃やし尽くして僕らを躍らせ感動させ楽しませてくれました。
ただでさえステージの運動量が尋常ではない志磨さんですが、正直、今回のステージは心配になるほどでした。1曲めが終わった時点ですでに大量の汗。いつもより水を飲む量も多い。

志磨さんの身体を見ればわかることですが、平凡の世界を忠実に僕らに見せる為に食事制限や運動など相当な努力をしているに違いない。(そんなことを思いながらぼくは、缶ビールと手羽先を貪りながらこの記事を書いてます)

しかも名古屋、大阪公演ともにどうやら風邪?はたまた花粉症?
どちらにせよコンディションは万全ではなかったのはたしか。

でも、それでも最後まで魅せきった志磨遼平に感動しないやつなんかいやしない。

そしてコンセプトといえば、今回のツアーは今まで以上に“SE”が重要になっていましたね。

名古屋、大阪会場で確認できただけでも、ボブディラン、イギーポップ、デヴィッドボウイ、ビートルズ、エディットピアフ、そして左とん平…

ラジオ番組でオンエアされているかのようにして流されていたこれらの曲は、『平凡』によって表現されている来るべき近未来では、おそらく放送禁止になっているであろう楽曲たちということでしょう。

つまり、ぼくらはライブハウスに一歩足を踏み入れたその瞬間から、すでに『平凡』の世界へと入り込んでいた…。ドレスコーズギャングが登場する前から、秘密の集会はすでに始まっていたわけです。

してやられた。

あとがき

IMG_0188

今回、ぼくは終始笑ってました

ユーモアがあって笑える、でもカッコいい。それこそがロックンロール。

そう、やっぱり志磨さんは誰よりロックンロールスターなんです。

3年前の4月1日『ダンスのミュージックの解放』を宣言したドレスコーズ。
9月24日、宣言から5ヶ月もの時間をかけて作り上げられた5曲の名曲が世に放たれました。そしてドレスコーズは同日、志磨遼平只一人を残して事実上解散しました。

志磨遼平は、ヒッピーズE.P.のインタビューで度々、「自分を無くす」ということを語っていました。

ダンスミュージックで一番邪魔になるのは自分自身だったんです。で、これはたぶんなんですけど、僕はドレスコーズを始めたときから自分の“個”を打ち消そうとしてきたんじゃないかって思うんですよ。

音楽ナタリー引用

いよいよ僕っていうものは音楽の中に埋没して、溶けて消え去ろうとしているなと。そこで思ったのが、まったく自分が言葉を発しない音楽もありなんじゃないか? って。
ここから先にあるのは、もう自分の音楽から自分自身が外れてしまって、ただただ音楽を傍観する存在になること。つまりは、リスナーになるってこと。

CINRA.NET引用

今回の『平凡』及び『memeTOUR』で志磨遼平は“平凡さん”を一寸の隙もなく完璧に演じきることで、ついに、志磨遼平という大きすぎる個性を消し去り、さらにファンクという強靭な音楽を手にすることで、“あの日の宣言”を、ついにぼくたちに見せつけたのです。

大阪公演にて。
志磨さんは最後、“何か”を掴み取るように手を大きく上へ上へと伸ばしていました。そして、たしかにその手の中に“何か”を収めているのを、僕らは見たのです。

その手にした“何か”で、次は何を見せてくれるのだろう。