何気ない日本の日々を切り取った名盤。星野源のソロデビューアルバム『ばかのうた』

昨年末の逃げ恥&恋の空前の大ブームはまさに社会現象。2017年に入ってもその勢いは衰えず、全国ツアーのチケットは全会場アリーナクラスにも関わらず即ソールドアウト。ビルボード JAPAN HOT100では2017年上半期ダントツの首位獲得。

名実ともに今や日本トップクラスのシンガーソングライターへと上り詰めた星野源。

うちの父でも、星野源の人気っぷりは知ってましたからね。「星野源ライブ行くねん」って話したら、「えー!よくチケット取れたなー」と言ってましたから。個人的にですが、子供と世のお父さんに認知されたミュージシャンは本物だと思います。

『恋』。めちゃくちゃいい曲ですよね。SUN最高ですよね。2015年末にリリースされた4thアルバム『YELLOW DANCER』素晴らしいですよね。j-popとブラックミュージックの高次元の融合という離れ業はまさに発明。そして偉大な発明を『恋』でさらに昇華させ完全に自分のものにしてみせた。すげーよ、星野源。

『YELLOW DANCER』以前の星野源の名盤

で、ここからが今回の本題。星野源の作品、

『恋』と『YELLOW DANCER』以前の作品をちゃんと聴いたことありますか?

たぶんCD買って聞き込んだことある人少ないですよね。だって売上枚数が如実に物語ってますもん。

たしかに『恋』と『YELLOW DANCER』は最高。その点においては、異論も反論もありません。たぶん日本の音楽史に残るレベルの傑作。まじでスゴい。アルバム『YELLOW DANCER』には、あの『SUNと』並べても遜色ない名曲がゴロゴロあるし、『恋』なんてカップリングの『Drinking Dance』や『Continues』それぞれタイアップがついているとはいえ、シングルカットできるほどの超名曲ですよね。

でもね、過去作も聴いてみて?!めちゃくちゃいいんで。星野源に興味ある方、

『YELLOW DANCER』以前の3枚のアルバムを聴かないのはまじで勿体無いです。

今回は記念すべき1stアルバム『ばかのうた』にフォーカスしたいと思います。

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“日本”の名盤『ばかのうた』

わざわざ“日本”の名盤と書いたのは、このアルバムには日本の営み、人々の何気ない日常や生活が完全密封されているから。

地上波歌番組でも披露された星野源初期の名曲、『くせのうた』は、8曲目に収録されています。

ちょっと歌詞を見てみましょうか。

くせのうた/星野源

君の癖を知りたいが ひかれそうで悩むのだ
昨日苛立ち汗かいた その話を聞きたいな

同じような 顔をしてる
同じような 背や声がある
知りたいと思うには
全部違うと知ることだ

覚えきれぬ言葉より
抱えきれぬ教科書より
知りたいと思うこと
謎を解くのだ夜明けまで

君の癖はなんですか?

j-lyric.net

最高です。終わりがいい。癖、聞いちゃったよ。でも大丈夫。きっと引かれないよ。星野源の楽曲は終わりがいい。オチが最高なんだ。

続いて、4曲目に収録のこちら。

茶碗/星野源

二十年前に買ったの 同じ茶碗を
古いアルバムの写真の 端に見えてる
二人きりで住んでいたの 儚い夢と
有り余る程の時間を 持て余してる

剥げた色のふちを 今日も口に運ぼう
ほら 長い長い日々を 今日も繋ごう
少し割れた底に こびりついた過去まで
かき込むの よく噛んでね 同じ茶碗で

j-lyric.net

何気ない生活のアイテム、お米派の人はほぼ毎日手に持つアイツ。茶碗。たかが茶碗。されど茶碗。茶碗とともに描かれる夫婦の物語。素晴らしい、素晴らしすぎるよ星野源。この曲聴いてから前より丁寧にお茶碗を洗うようになりました。

日本の営み、普通の生活が純度100%で封じ込められている『ばかのうた』。何気ない日々こそ幸せなんです。

『ばかのうた』収録で、涙が出るほど好きな2曲

『ばかのうた』、というか星野源の全楽曲の中でもトップ5に入るほど好きな名曲をちょっと紹介してもいいですか?すみません。もう完全に自己満です。

グー/星野源

『ばかのうた』2曲目に収録されている『グー』。

ちょっと歌詞みてください。

夢を見た日の寝起きの顔
ぶちゃむくれているけれど好きなの
ファンデーションより
すごいまつげより
グーグーグーグーグーグーグー
寝た後の顔がいい

j-lyric.net

ぶちゃむくれってフレーズがいいですね。愛が詰まってる。

西日差し込む居間の中で
しわを重ねた口がポッカリと
すごい着物より
輝くドレスより
グーグーグーグーグーグーグー
昼寝のよだれがいい

j-lyric.net

二人は結ばれ夫婦になり、休日でしょうか、リビングで二人だけの時を過ごしています。何処にである何気ない幸せの風景ですね。

白いカーテンが揺れたよいま
この部屋にいつ来たのかわからない
すごい機械より
白いベッドより
グーグーグーグーグーグーグー
うちの布団がいい

j-lyric.net

知らない部屋、すごい機械、白いベッド、男が入院したことがわかります。

隣の椅子で寝起きの顔
疲れてるのその笑顔好きなの
エロいナースより
管だらけより
グーグーグーグーグーグーグー
お前の隣がいい

j-lyric.net

見舞いに訪れる女は疲れている笑顔。エロいナースより、お前の隣がいいという男の心情。

見慣れた天井見て笑う
二人の布団は少し狭いな
寝起きの顔は
たぶん見れないけど
グーグーグーグーグーグーグー
お前の懐で
グーグーグーグーグーグーグー
少し眠ろう

j-lyric.net

男はうちへと帰り、最後は愛する女の元で静かに眠りにつきます。

どうですか。このショートショート的傑作短編小説も真っ青な歌詞。ある一人の男の人生。女の寝顔や寝起きの顔が何より大好きな男は、最期、愛する女の中で眠りにつきます。幸せな男の人生をたった3分34秒の歌の中で表してしまう星野源の才能が怖い。

兄妹/星野源

夢をみると 思いだすもの
丸いおでこ 光るあの子
横になって 端に寝るよ
いつも愛が漂う

洗濯をして 食器洗って
近所を駆ける 誇り高き兄妹
俗世の垢は するりと落ちる
早く逢いたい 夢をみせて兄妹

後ろを向くと 思いだすもの
海の中で 眠るあの子
横になって 端に寝るよ
いつも愛が漂う

j-lyric.net

実は、星野源には生まれてこられなかった妹がいたそうです。この歌はそんな妹さんの御墓参りに行ったときにできた歌で、ご本人曰く「お墓がある場所はとても綺麗な場所で、外国人がジョギングとかしてて、とても楽しくて。そんな曲です。」だそうで、たしかに飛び跳ねるような軽快なリズムとマリンバの音色がとても心地いいです。

ぼくにも2歳半離れた妹がいます。だからでしょうか。もう人ごととしては聴けないんですよね、この曲。“お兄ちゃん”として聴いてしまう。

洗濯をして 食器洗って
近所を駆ける 誇り高き兄妹

j-lyric.net

この一節なんかもうやばい。否が応でも昔のことを思い出してしまう。妹と走り回った遠い日のこと。何処にでもある日本の兄妹のすがた。
“日本の全お兄ちゃん”は必聴です。

あとがき

完全に自己満足の記事になってしまいました。いやぁでも書いてて楽しい!ここまでお付き合いくださった方、本当にありがとうございます。

星野源、『恋』や『SUN』だけではないんです。是非、『YELLOW DANCER』以前のアルバム3作も聴いてみてください。

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