【ネタバレ&感想】漫画『私の少年』3巻 絹糸のように繊細で美しい、二人の物語。

IMG_1522

『私の少年』第3巻。
第3巻は起承転結で言うところの“転”。物語は大きく動きはじめます。

【ネタバレ&感想】漫画『私の少年』1巻 絹糸のように繊細で美しい、二人の物語。
日本には素晴らしい漫画がたくさんあります。 世界に誇れる日本の漫画。 また一つ、美しい日本の漫画に出会いました。...
【ネタバレ&感想】漫画『私の少年』2巻 絹糸のように繊細で美しい、二人の物語。
『私の少年』、日常を生きるすべての“大人”に染み渡るお話です。 元・少年少女のみなさまに読んでほしいですね。 ...

『私の少年3巻 あらすじ』

30歳OLと12歳小学生。真修と離れる決意をした聡子だったが「聡子さんにあいたかった」という真修の言葉で自分の感情に気付く。二人で過ごす時間がずっと続いてほしい、そう願う聡子は真修の家族と対峙することになる――。「このマンガがすごい!2017」<オトコ編>第2位ほか各メディアで話題沸騰中、待望の第3巻!!

公式サイト引用

『私の少年』3巻 感想とネタバレと…

『私の少年』待望&待望、本当に待望の第3巻がついに発売されました。第4巻は来年2月に発売予定なので今年はこの1冊のみ。心して読みました。

聡子は真修に謝ります。“大人として、真修にとって間違いではない 形だけの言葉を並べ立てたことを”

大人になると、建前とか見栄とか虚勢とか世間体とか色んなものがごちゃごちゃになって、自分の本音が言えないことが多々あります。そんな見えない何かにがんじがらめになって身動きが取れないことが、よくあります。

子供は違います。子供はいつだって直球勝負。本当の自分のまま、相手に向き合おうとします。見えない何かに捕まらない羽を広げて。

そんな真修をみて、聡子は謝ったのです。そして、毎週金曜日の練習を続けることを約束します。

IMG_1509

真修は聡子の言葉に安堵して、へなへなと床に倒れこみます。思わず(躊躇いなく)、聡子の膝に頭を乗せる真修。まだ小さな頭。でもことはこの小さな頭で、大人がびっくりするくらい色んなことを考えているんですよね。

どのくらいの時間、2人はそうしていたのでしょうか。足が痺れているのに強がる聡子は、玄関まで真修を見送ります。

迎えた翌週の金曜日。

ベンチで休憩を取る2人。夏休みということもあっね話題は宿題へ。なんと、まだ8月になってもいないのに全ての宿題を終わらせていた真修。すげぇ。すげぇよ真修。おっさんは全部終わらないまま2学期の始業式を迎えてたわ。

ご褒美をあげる、何かを欲しいものはある?
聡子は聞きます。

IMG_1510

「背がっ 欲しいです!」

うわー、気持ちわかる!っていうかぼくもサンタさんに“身長”をお願いしていました。小学生男子あるあるですね。

その日の練習帰り、2人はある人物に遭遇します。

IMG_1512
それは、真修の父親。

ついに、ついに出会ってしまったか。

しかし、間髪を入れずハッキリとした口調で挨拶をする聡子。これは子供には出来ない、大人の芸当。社会を生きていく中で身につけた術ですね。

聡子と真修父は話し合いの場所を井戸端からファミレスへと変えます。真修父を待つ間にメイクを直す聡子はやはり女性で、こういったところの気配りはさすがで抜かりがありません。

我が子を家まで送り届けファミレスへとやってきた真修父。聡子の先制攻撃、“ちゃんとした会社の名刺差し出し”にガードが緩みます。名刺は偉大です。

聡子は金曜日に真修とサッカーの練習をすることになった経緯と詳細の9割を話します。

何処の馬の骨とも知らない大人に我が子が定期的に会っていたという事実にすぐには納得できない父親。当たり前ですね。

当然、この話し合いが綺麗に着地することはありません。

そんなとき、聡子を守るかのように父と金曜日限定のサッカーコーチの合間に割って入るようにして現れた真修

金曜日の練習の許可をもらいにきた真修は、勉強も弟の面倒も、言い付けも全部守るから、練習だけは続けたいと父に直談判します。
こんなとき、子供は本当にまっすぐです。そしてやはり最強の武器は、子供の“真っ直ぐさ”ですね。

翌週 金曜日。
2人はいつもの公園でサッカーの練習をしています。練習の初めと終わりに連絡をすることを条件に2人は練習を許可してもらえたのです。

IMG_1513

練習終わり。花火大会に行けなかった真修のために聡子が持ってきた手持ち花火で、2人はプチ花火大会を開催します。ささやかに流れていく日常。

いつもの仕事場である違和感を覚える聡子。真修から貰ったストラップが切れて無くなっていたのです。そう、あのお寿司のストラップです。一体いつから無くなっていたのか…ストラップの紛失は案外気づかないですからね。

そんなあたふたする聡子に、深刻な面持ちで話があると呼び出す直属の上司にして聡子の元彼の椎川。

「早見さんが、息子さんに関することで腹を立てているらしい」

一度身分を明かして話し合ったにも関わらず、認めていないことで(練習以外で)、息子と会っているのではないか。親を欺こうとしたのではないか、多和田聡子という社員をどうにかしてほしい。
取引先でもある真修の父から聡子の会社に入ったクレームです。

練習以外で真修と会っていたことを、聡子はあの話し合いで伝えてはいませんでした。それを伝えることは真修との終わりを意味するからです。

事態は相当に深刻で、どのような処分でも謹んで受け入れる覚悟はあるという聡子に下った辞令は、仙台への転勤でした。

IMG_1514

仕事の引き継ぎをし、髪を切り、会社の送迎会に参加して、引越しの手配を済ませて空っぽになった部屋を後にする聡子。

その部屋に走りながら近づいてくる子供の足音。
汗をかき、息を切らしながら聡子の部屋にいる辿り着いた真修。その小さな足元、ドアの前には、いつものサッカーボールが…。

2年後。

地元仙台での生活。会社と家を往復するだけの日々。そんなうんざりするほど退屈な日常を過ごす聡子の元に訪れた非日常。同窓会ぶりに出会った地元の同級生 八島君と聡子は数回のデートを経てなんだかいい感じになります。(すんませんここだいぶ端折ってます)

IMG_1515

聡子の33歳の誕生日。高級レストランで食事をとる聡子と八島君。
用意された33本のバラの花束。突然鳴り止む店内のBGM。そしてはじまるフラッシュモブ。うわ〜怒涛すぎるよ八島君。

耐え切れなくなった聡子は八島君からの告白を遮って店を飛び出します。

聡子が求めていたのは、ドラマのよう非日常なんかじゃなくて、あのささやかな流れていく日常。ただそれだけだったのです。

IMG_1517

「それだけ…なのに」

仙台の夜の歩道橋で聡子がそう呟いた瞬間…

IMG_1516

「聡子…さん?」

そこには中学生になった真修の姿が…。

スポンサーリンク

あとがき

オイィィィ!!ドラマやないかーい!
とツッコんでしまったのはぼくだけではないでしょう。
『現実は小説より奇なり』って言葉があるくらいですから、思いも寄らないサプライズは案外日常に転がっていたります。ただ、フラッシュモブとかはねー、やりすぎたよ八島君。特に大人の女性に、はね、うん。

髪が短くなって肩幅も出て大人っぽくなった真修。おそらく声も変わっているのでしょう。
小学生から中学生、あまりにも大きい2年間。真修は今なにを思っているのでしょうか。

【ネタバレ&感想】漫画『私の少年』1巻 絹糸のように繊細で美しい、二人の物語。
日本には素晴らしい漫画がたくさんあります。 世界に誇れる日本の漫画。 また一つ、美しい日本の漫画に出会いました。...
【ネタバレ&感想】漫画『私の少年』2巻 絹糸のように繊細で美しい、二人の物語。
『私の少年』、日常を生きるすべての“大人”に染み渡るお話です。 元・少年少女のみなさまに読んでほしいですね。 ...