ONEPIECE FILM GOLDを4回鑑賞して思ったこと

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『ONEPIECE FILM GOLD』

いきなりだか、これはすべてのワンピースファンににオススメする作品では、決してない。

まさしく王道の超ド級エンターテイメント作品だが、決してワンピースの王道的作品ではないとうことだ。

ワンピースの映画作品としてはかなり異色なのだ。個人的には細田守監督作の『オマツリ男爵と秘密の島』の次ぐらいに異色だと思っている。

これは原作者の尾田先生にとっても、その他関係者の方にとっても、かなりの挑戦だったことだろう。まさに賭け。究極のギャンブルである。

そして、彼らはその賭けに勝った。興行収入は50億突破確実であるし、観に行った人々は口を揃えて『面白かった』言う。少なくともぼくの周りの人はそう。
全くワンピースらしくないワンピース作品できちんと結果を出して見せた。

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この作品はワンピースのワンピースによる挑戦だったのだ。

確かに興行収入的には前作フィルムZには及ばないだろう(フィルムZの興行収入は68億円超)
だがしかし、この全く新しいワンピース世界で、結果を出したことに意味があるのではないかと、ぼく個人としては思う。
ぼくが感じたこの映画の大きな挑戦は、大きく3つある。

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挑戦その1.音楽

誰も知らない、GLIM SPANKYの起用。


まずはこれをあげすにはいられない。誰も知らないと書くと彼女らに失礼かもしれないが、世間の一般的認知度は低かったはずだ。
『GLIM SPANKY』今作の主題歌を担当した男女2人組のロックンロールデュオだ。
ばくは彼女らが以前から大好きだった。古参ぶって申し訳ないが、本当に大好きだったんだ。
そんな彼女らが、自分にとって一番大切な漫画、ワンピースの主題歌を歌うとあらば、それはもう正気ではいられない。ただ事ではない、事件なのだ。
平成生まれの彼女らは、60年代、70年代のオーセンティックなロックンロールを基調としながらも、決して懐古主義ではなく、この時代に鳴るべきこの時代のロックンロールをかき鳴らしている。2016年、最新型の純血統種ロックンロールだ。

往年のロックファンには、これだ!こんなロックを待っていたんだ!という方も多いだろう。松尾レミの圧倒的存在感、唯一無二の歌声はもちろんだが、亀本寛貴のギターも負けてはいない。レッドツェッペリンやジャックホワイトばりのギターリフは、心のもやもやを吹き飛ばしてくれる。
いわば、レッドツェッペリンの演奏でジャニスジョプリンが歌っているようなものだ、GLIM SPANKYとは。
今回の一件で世界が彼女らに気づいたことだろう。しかし主題歌に決定するまではもちろんそうではない。
話しによると尾田先生が偶然ラジオから流れていた彼女らの曲を一発で気に入り、会議等で彼女らを大プッシュしたのだそう。もちろん各関係者から難色はあった、この一大プロジェクトに無名の新人を起用してもよいのか、と。しかし、作者の尾田先生の熱烈プッシュにより彼らはビッグタイアップを勝ち取った。彼女らの歌には、人の心を動かす力がある。
主題歌制作にあたって、“今までのワンピースを壊してほしい、ルフィと勝負する気持ちで作ってほしい、お茶の間でこの曲が流れたときには、お茶の間の方に衝撃を与える生々しい曲を作ってほしい。”という意向があったそうだ。
両者にとって、大きな賭け、挑戦だったはずだ。結果はどうだろうか。見事、この映画を決定づける主題歌、『怒りをくれよ』が完成したである。
この夏、GLIM SPANKYの楽曲が日本中の劇場・お茶の間で響き渡ったという事実は、ぼくらが思う以上にきっとずっと大きな意味を持つ。

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挑戦その2.テーマ

こんな時代だからこその、GOLD。

ワンピースフィルムゴールドのテーマは、とにかくド派手でゴージャスということだろう。ここまで金色一色のアニメ映画というのもそうない。映像だけはない。音楽もめちゃくちゃゴージャスで見事に映画の雰囲気にマッチしていて、映画をさらに盛り上げてくれるのだ。JAZZあり、ROCKあり、今作のサントラ盤は、ワンピース映画史上最高だと思っている。
さて、ここでいう挑戦とは、もしかしたら今回の映画を不快に思う人がいてもおかしくないということだ。現にそういう声もちらほら聞いた。

今作はご存知の通り、カジノが舞台だ。無数の電飾が画面いっぱいに広がる夢の街、贅沢の街、無駄遣いの街。演出の都合上仕方ないが食べものを粗末に扱うシーンもある。そして、そこで繰り広げられる海賊と悪党との騙しあい、ガチンコバトル。
震災以降日本に広まった『自粛・節制』の4文字。“こんな時代にこんな金のかかったアホなもの作るな”というお声も分からんではない。でも映画ってそもそも贅沢なものだ

なぜだかよくわからないが、待てど暮らせど働けど、景気も一向に良くならない。
そんな時代だからこそ、とことんド派手で、ゴージャスで思う存分バカやってる映画の1つもあっていいんじゃいないだろうか。

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ONE PIECE FILM GOLD オリジナル・サウンドトラック

挑戦その3.敵キャラ

ボスキャラ ギルド・テゾーロの未知数な強さ。

最後は敵キャラ、テゾーロについてだ。今までの『STROGWORLD』でのシキや、前作『Z』のゼファーにはそれぞれ、『伝説の海賊 金獅子のシキ』『元海軍大将 黒腕のゼファー』というわかりやすい二つ名、強さの提示がなされていた。しかし、今回のボスキャラについてはそれら分かりやすい強さの冠が付けられていない。七武海・四皇・海軍大将、原作にある強い肩書を使うことなく、圧倒的に強いボスキャラを描いて見せたのだ。自分の王国グランテゾーロにおいては無敵というキャラクターは本当に良かったと思う。

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ワンピース ワールドコレクタブルフィギュア ギルド・テゾーロ

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『ONEPIECE FILM GOLD』

まったく新しいワンピース体験。ぼくは、めちゃくちゃ満足だ。

すべての関係者に、ありがとう。

最後に、

この映画には、ポップコーンとコーラがよく合う。